平成29年12月27日神戸新聞
神戸中3自殺「追加調査せず」遺族が再調査要望へ
昨年10月、神戸市垂水区の市立中学3年生の女子生徒=当時(14)=が自殺した問題で、いじめの事実関係を調べる第三者委員会が、母親が求めていた追加調査の申し入れを拒否する旨の回答をしていたことが26日、関係者への取材で分かった。母親は「遺族に寄り添った対応ではない」とし、久元喜造市長に再調査を要望する方針。
母親や代理人弁護士によると、第三者委が8月にまとめた調査報告書は、容姿を中傷するなどのいじめ行為は認定しているが、いじめを生んだ背景や生徒間関係の記述はほとんどなく、自殺との因果関係は明確にしていなかった。
母親は11月20日、追加調査を要望。回答の文書は今月26日、市教育委員会を通じて渡されたといい、「第三者委の見解は報告書に記載したとおりで、これ以上の追加調査を行うことはない」としている。
文部科学省のガイドラインでは、再調査の要望など、調査結果への所見を首長に報告でき、首長は必要に応じて再調査ができる。
代理人の辰巳裕規弁護士は、「遺族の意向をくみ取れる委員構成での再調査を求めていく」としている。
母親は「加古川市の中2女子生徒の自殺事案を調べた同市教委の第三者委の報告書と全く違う。この報告書では受け入れられない」
と訴える。(井上 駿、広畑千春)