平成30年10月6日付朝日新聞

新潟の中2自殺「教員多忙でいじめ見逃し」第三者委報告

新潟県新発田市で昨年6月に中学2年の男子生徒が自殺した問題で、市教育委員会の第三者委員会は5日、「自殺の原因はいじめにあると推定できる」とする調査報告書を提出した。

教師が生徒と向き合う時間が不足したことがいじめを見逃す要因になったとして、教員定数を増やすよう国や県に提言した。

第三者委によると、男子生徒は中1の夏休み明け以降、あだ名で呼ばれてからかわれるようになり、進級後もエスカレートしていったという。第三者委はこうした「からかい」や「いじり」をいじめと認定した。

昨年4、5月には男子生徒が担任に「あだ名で呼ばれている」と伝えたが、担任はいじめと認識せず、保護者にも伝えなかった。第三者委の工藤ひとし委員長は「教員の事務作業や課題が多すぎて、生徒からじっくり話を聞くことが少なくなっている」と述べた。

男子生徒は昨年6月、自宅の作業小屋で首をつった状態で見つかった。家族に「俺はいじめられていると思う」などと話していた。

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平成30年9月26日付朝日新聞

ブラック校則、立ち向かうには 荻上チキさん・内田良さんがトークショー

下着の色を指定したり、髪を黒く染めるよう強く求めたり。人権侵害にもなりかねない「ブラック校則」にどう立ち向かえばいいのか。校則の問題に詳しい評論家の荻上チキさんと名大大学院准教授(教育社会学)の内田良さんが、東京都内で意見を交わした。

荻上さんと内田さんは、共に編著者となっている「ブラック校則 理不尽な苦しみの現実」(東洋館出版社)の刊行を受け、8月中旬にトークショーを開いた。

荻上さんは賛同者らと今年2月、校則に関するアンケートを実施。15歳~50代の人に中学・高校の校則について尋ねたところ、髪の毛を染めたり、パーマをかけたりしていないことを確認するための「地毛証明書」の提出や下着の色の指定など、さまざまな「ブラック校則」の実態が浮かんだ。

 

■より細かく規定

荻上さんと内田さんが驚いたのは、昔はなかった校則が新たに生まれたり、規定がより細かくなったりしていることだったという。二人はその要因として、教員の多忙化や学校選択制による学校間競争などで、「効果が分かりやすい生徒指導」である校則が選ばれている、と推測した。

内田さんは「いったんルールを決めると、『あれ、あんただけちょっとおかしいよ』『みんなに合わせろ』となる。すべて自由にしてしまえば何も気にならないし、管理する手間も省ける」と語り、校則の見直しが教員の負担軽減にもつながると指摘した。荻上さんは「学校は子どもが社会に出るために、『何が合理的か』を問い続けていく場所にしなければならない。

不条理に慣れさせる場所ではない」と指摘した。

 

■「原因は社会に」

会場からは、教員や「元生徒」の立場からさまざまな意見が出た。

神奈川県内の高校教諭の男性(57)は、「学校関係者以外からクレームがくると、管理職や教頭・校長が(学校を)よく見せようと思い、さらに校則が細かくなるスパイラルがある。

校則がきつくなる一つの原因は社会にあるのではないか」と指摘した。

千葉県の女性(33)は自分が通っていた高校で、授業中にトイレなどで教室から出ると、戻ってくる時に職員室で「再入室許可証」をとらなければならなかったことを紹介。

「生徒の学ぶ権利を奪っているのではないか」と感じているという。

参加者からは「生徒たちが立ち上がるにはどんなアクションがいいか」という質問もあがり、荻上さんと内田さんは「生徒総会で議題に挙げてはどうか」「先生は『自主性』という

言葉が大好きなので、それを逆手に校則を作っていけばいい」などと提案した。

 

■都立高の6割「地毛証明」

校則をめぐっては2017年9月、大阪府立高校の女子生徒が、生まれつき茶色い髪を黒く染めるよう指導されて不登校になったとして、府を提訴。朝日新聞の昨年の調査では、都立高校の約6割が一部の生徒に「地毛証明」を提出させていることもわかった。

昨年12月、NPO法人の理事長や荻上さんらが中心となってインターネットで設立した「『ブラック校則をなくそう!』プロジェクト」を発表。署名活動も始め、校則の見直しを求める林芳正・文科相宛ての署名は、現在4万を超えるという。

林文科相は今年3月の参院文教科学委員会で校則について問われ、「学校を取り巻く社会環境や児童・生徒の状況の変化に応じて、絶えず積極的に見直す必要がある」としたうえで、「見直しの際には、児童・生徒が話し合う機会を設けたり、保護者からの意見を聴取したりするなど、児童・生徒や保護者が何らかの形で参加した上で決定する

ということが望ましい」と答弁している。(田中聡子)

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平成30年9月25日朝日新聞兵庫版

調査不足指摘 いじめメモ隠蔽問題

神戸市垂水区で2016年に市立中学3年の女子生徒が自殺し、いじめをうかがわせる他の生徒からの聞き取りメモが隠蔽された問題が、混迷の度を深めている。

「首席指導主事が指示し、前校長が了承した」とされるが、他の市教委幹部も昨夏の段階で隠蔽を認識していた疑いが浮上。有識者からも調査不足との指摘が相次いでいるためだ。だが、市教委は早くも幕引きの構えを見せている。

「事実関係がちゃんとしていないのに早すぎる」「なぜこんなに急ぐのか」 19日、神戸市議会文教こども委員会。居並ぶ市教委幹部を前に、複数の市議から厳しい質問が噴出した。

市議たちが問題にしたのは、市教委が設置した「組織風土改革のための有識者会議」の「中間とりまとめ」と市教委の対応だ。

有識者会議は「メモを巡る対応は首席指導主事と前校長の2人のみで行われ、他の職員からのチェックが働かなかった」との前提で3回議論し、「指揮命令系統の明確化」などを今月11日に提言した。

そのわずか3日後、市教委は生徒指導を専門に担う「児童生徒課」の新設を柱とする10月1日付の組織改革概要を発表した。「素早く組織をいじることで幕引きを狙っているように見える」(市立中学校のある校長)との声が上がるほどの手際の良さだった。

だが当の有識者会議でさえ、中間とりまとめの冒頭で「(隠蔽の)動機や経緯が非常に不合理で、詳細に解明されることが望ましい点が多く残されている」と釘を刺し、課題が山積していることを強調する。

「隠蔽は首席指導主事が指示し、前校長が従った」と認定したのは、市教委が委託した弁護士2人による6月1日付の調査報告書だ。だが、報告書の内容を否定したり、報告書に反映されていなかったりした新たな文書が最近、相次いで出てきた。

一つは、前校長が7月13日付で提出した陳述書だ。

調査報告書は、前校長が首席指導主事の指示に従った理由を「できればメモがないことにしてやり過ごしたいという思いを有していた模様である」とした。だが、前校長は「そんな発言はしていないし、そう思ったことも一度もない」と反論。「一にも二にも教育委員会から指示があったからだ」と主張した。

二つ目は、共産党の味口俊之市議の情報公開請求で開示された、現校長と学校教育課長との昨年8月23日の電話対応記録だ。

記録によれば、現校長は(1)メモは市教委の指示で廃棄されたと前校長から聞いた(2)メモは学校に残っている――の2点を伝え、メモが破棄されたと記された第三者委員会の報告書の訂正を求めた。だが、同課長は「遺族説明は終わっている」などとして拒否した。

記録は学校教育部長と総務部長にも共有されていた。つまり、複数の市教委幹部が昨年8月の時点で隠蔽が行われたとの認識を持ちながら、真相にふたをしようとしていたのではないか、との疑惑だ。

未解明の点はほかにもある。なぜ首席指導主事は上司に相談することなく独断で隠蔽をはかったのか。昨年8月にメモが学校にあることが分かり、教育長(当時)が調査を指示したのに、なぜ現物を確認することなく調査は立ち消えになったのか――などだ。

全容解明にほど遠い段階で組織改革を始めた市教委の姿勢に、遺族側は不信感を募らせる。今月18日、「仮に時間がかかったとしても徹底的な原因解明をまずは行うこと、その上で組織風土改革を検討することを求めたい」とする所感を有識者会議と市教委に出した。

だが、市教委は新たに調査するつもりはないという。後藤徹也・教育次長は取材に「我々に強制調査権がない中で、これ以上調べても事実解明には限界がある。

弁護士による調査報告書をもって区切りとしたい」と話した。(野平悠一、西見誠一)

 

  • 学校教育課長と現校長の昨年8月23日の電話対応記録(抜粋)

校長:具体的には、メモの廃棄についてである。これについて前校長は、委員会の指示であったといっている。(中略)実際にメモの一部は学校に存在している。

学校教育課長:第三者委員会の聞き取りからできた報告書であり、第三者委員会に意見をすることは難しい。

校長:第三者委員会の報告でも、誤った情報については訂正する必要があるだろう。また、事前に学校とのすり合わせがなされていない。杜撰である。

学校教育課長:すでに、遺族説明も終わっており報告書は固まっている。

※開示記録には伏せ字がありますが、一部を取材で補いました。

 

◇神戸の中3自殺問題

神戸市垂水区の市立中学生3年生自殺問題 市教委が設置した第三者委員会の調査報告書はいじめがあったと認定したが、自殺の原因は特定しなかった。

いじめメモ隠蔽問題を受け、久元喜造市長は今夏、市長部局に新たな調査委を立ち上げて自殺の経緯を調べている。

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平成30年9月21日東京新聞

「いじめ対策怠った」 高1自殺、都を提訴

東京都立小山台高校一年の男子生徒=当時(16)=が二〇一五年に自殺したことを巡り、生徒が悩みを訴えていたにもかかわらず学校側が対策を怠ったことが自殺につながったなどとして、母親が二十日、都に約九千三百万円の損害賠償を求め東京地裁に提訴した。

訴状などによると、生徒は高校入学後、同級生から嫌がる呼び名の連呼や無視などのいじめを受けた。一五年九月、JR中央線大月駅(山梨県大月市)のホームから飛び込み、電車にはねられて死亡した。

生前、学校のアンケートに「悩みがあるので相談したい」と回答し、早退や保健室通いを繰り返していた。しかし学校側は、本人にどんな悩みがあるのか尋ねるなどの対策を取らず、そのことが自殺を招いたと主張している。また、自殺後に都教委に調査を十分に行うよう求めると、担当者から「ほかの生徒や保護者から苦情がきている」などと怒鳴られ、精神的苦痛を受けたとも訴えている。

都教委は一七年九月、「いじめを認定するのは極めて困難」とする調査結果を公表。遺族は再調査を求め、都の知事部局の検証チームが今年七月、都教委の調査は不十分だったとして、いじめ防止対策推進法などに基づき再調査することを決めた。

再調査の結果が出る前に踏み切った提訴。東京・霞が関の司法記者クラブで会見した母親は「優しくて思いやりのある子でした。『科学者になって人の役に立ちたい』といつも言っていた」と涙声で語り「学校や都教委からは説明も謝罪も一切ない。裁判で息子の人権と名誉を回復したい」と声を振り絞った。都教育庁は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。

(蜘手美鶴)

 

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平成30年9月20日朝日新聞

いじめメモの隠蔽、複数の市教委幹部が認識か 中3自殺

神戸市垂水区で2016年に市立中学3年の女子生徒が自殺し、いじめをうかがわせる他の生徒からの聞き取りメモが隠蔽された問題で、昨年8月、現校長が市教委の学校教育課長に「メモは学校にある」と電話で伝え、メモが破棄されたと記された第三者委員会の報告書の訂正を求めたのに、同課長が「遺族説明は終わっている」などと拒否していたことがわかった。

メモ隠蔽問題を調査した弁護士の報告書は、隠蔽は首席指導主事の指示だったと認定したが、他の市教委幹部も真相にふたをしようとした疑いが強まった。

昨年8月23日に現校長と学校教育課長が話した内容を一問一答形式で文書にした記録が市教委にあり、共産党の味口俊之市議が情報公開請求して開示された。

記録によると、現校長は①メモは市教委の指示で廃棄されたと前校長から聞いた②メモは学校に残っている――の2点を伝え、第三者委の報告書の訂正を求めた。

だが、同課長は「第三者委の聞き取りからできた報告書であり、意見することは難しい」「すでに、遺族説明も終わっており報告書は固まっている」と述べ、訂正を拒んだ。

この記録は上司の学校教育部長と総務部長にも共有された。

現校長とのやりとりについて、今年6月の市議会で問われた同課長は「どのような話をしたか覚えていない」などと答弁。学校教育部長も「報告を受けたが、何の話か分からなかった」と述べた後、「聞いたかどうかあいまい」と修正し、市教委が組織ぐるみで隠蔽した疑いを否定していた。

19日の市議会で、「現校長とのやりとりを文書で共有しながらなぜ『覚えていない』と答弁したのか」などと追及した味口市議に対し、同課長は「着任したばかりで事情が分からなかった」と釈明した。

市教委が設置した第三者委の調査報告書はいじめがあったと認定したが、自殺の原因は特定しなかった。メモの隠蔽問題を受け、久元喜造市長は今夏、市長部局に新たな調査委を立ち上げて自殺の経緯を調べている。(野平悠一、西見誠一)

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平成30年9月14日毎日新聞

転落生徒にいじめ「学校に責任」報告書公表せず

千葉県柏市の市立中学校で2015年3月、校舎から転落し意識不明の重体となった当時2年生の女子生徒について、市教委がいじめを受けていたとする報告書を作成していたことが毎日新聞の情報公開請求で判明した。報告書は「組織的対応をしなかったため、転落を未然に防ぐことができなかった」と学校の責任に触れていたが、市教委は内容を明らかにしてこなかった。

県警によると、生徒は校舎4階の教室で所属する部活動の部員数人と話をしていた途中で教室を出た後、駐車場に倒れているのが発見された。4階から飛び降りるのを目撃した生徒もいた。

市教委は同級生らから聞き取りし、16年3月に第三者の検証を経て報告書とその添付文書を市長に提出した。

これら文書は公表されず毎日新聞は同4月、市に情報公開請求した。しかし非開示と決定されたため行政不服審査法に基づく審査を請求。市の審議会が2年かけて審査した結果、「不開示の理由は当たらない」と非開示決定を取り消し、一部が今月3日開示された。

それによると、「(転落の)直接の原因は判断できなかった」としつつも「(生徒が)いじめを受けてきた」と指摘。担任教諭については「女子生徒や保護者からの相談でいじめの認知ができたにもかかわらず、安全配慮義務を果たさなかった」とし、「いじめを過小評価し状況の重大性を十分認識しなかった」と学校側の対応を批判していた。

また、開示された別の文書には「記者会見は行わない」「個人に関する情報として不開示情報の扱いをお願いしたい」などとあった。

市教委の担当者は非開示にしていたことについて「一切出さないでほしいという家族の要望があった。隠蔽とは考えていない」とし、「いじめが起きたことは大変遺憾で責任も感じている」と謝罪した。【橋本利昭】

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平成30年9月13日付毎日新聞

球拾いで川に転落・死亡 野球部員遺族が監督ら告訴

昨年11月に石川県立金沢西高野球部1年の男子生徒(当時15歳)が球拾い中に川に転落し死亡した事故で、父の松平忠雄さん(47)が同部の監督ら指導者3人を業務上過失致死容疑で金沢西署に告訴した。同署は受理し、同容疑で捜査している。【日向梓】

受理は先月28日。同署は、事故直後から同容疑を視野に捜査を始め、部内での注意喚起や指導について監督らの過失の有無を調べている。

事故は昨年11月5日午前10時半ごろ、同校グラウンドに隣接する新大徳川(水深約2・5メートル)で発生。男子生徒は、練習試合中に外野ネット(高さ約8メートル)を越えて川に落ちたホームランボールを拾おうとした際、誤って川に転落。2日後に搬送先の病院で死亡した。

松平さんは取材に、告訴した理由について「このままでは事故が風化してしまいそうだと感じた。息子は先輩たちをまねてボールを拾っただけ。指導者には、部員を指導監督し安全を守る責任があることを第三者に判断してほしい」と話した。

同高の山越善耀校長は12日、「告訴については詳細を把握していないためコメントできない」とし、事故については「以前から無理にボールを拾わないように指導していたが、事故が起こった以上、徹底されていない部分もあったと思う」と話した。

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平成30年9月12日付朝日新聞

新潟・高1いじめ自殺「担任の対応影響」第三者委が結論

2016年11月、学校にいじめの相談をしていた新潟市内の県立高校1年の男子生徒(当時15)が自殺した問題で、新潟県教育委員会の第三者委員会は11日、調査報告書を県教委に提出した。いじめがあったと認定し、担任教諭や学校の対応が自殺に影響を与えたと指摘した。

報告書によると、男子生徒は16年9月以降、一部の生徒から不愉快なあだ名で呼ばれるようになった。同年11月にかけて、あだ名に関係する合成画像がLINEに投稿されたり、悪口を言われたりした。

男子生徒は10月末から11月中旬までに担任教諭に3回、いじめについて相談をしていた。男子生徒がネットで自殺方法を検索したのが3回目の相談の2日後だったことなどから、第三者委は「孤立感を救ってほしいという担任教諭への期待が裏切られたことが、自殺の決行に最も影響を与えた」と結論づけた。

報告書は、学校の行動計画で定められているいじめを認知した際に開く対応委員会が開催されなかった点も指摘。「組織的対応が実行されなかったことが、3回の相談を受けながら最悪の事態を招いた根本的な原因」とした。

報告書を受け取った県教委の池田幸博教育長は「重く受け止めている。危機感を共有することが第一歩だ」と述べた。(加藤あず佐)

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平成30年9月11日朝日新聞

館山中2自殺、いじめとの因果関係解明できず 第三者委

千葉県館山市で10年前に市立中学2年の田副勝(たぞえしょう)さん(当時13)が自宅で首をつって亡くなったことについて、いじめの有無などを調べていた市の第三者調査委員会は10日、金丸謙一市長に報告書を提出した。所属していた野球部などでいじめに遭っていたと認定したが、自殺との因果関係は解明できなかったとした。

勝さんは2008年9月10日に自殺した。弁護士や教育の専門家らでつくる第三者委は16年の発足後、当時の在校生らにアンケートや聞き取りを実施。野球部の練習試合の帰りのバスで他の部員に制汗スプレーを吹きつけられ「臭いぞ」と言われたことなどをいじめと認定した上で、自殺の原因について「すべてが学校生活や部活動での問題にあったと断定する証拠はなく、全容解明に至らなかった」とした。

学校は自殺の直後に全校生徒を対象に調査を行い、「いじめにつながる事実はあったが、死と直接結びつく原因はわからない」としたが、5年間の保存が必要な調査用紙を廃棄していたことが後に判明。市教育委員会の再調査では「臭い、うざい、死ね」と言われていたとの回答を公表していなかったことも明らかになり、遺族が第三者委による調査を市に求めていた。

第三者委の報告について、委員長の大野精一・星槎大学大学院教授(心理学)は記者会見で「もっと調査が早ければ関係者の記憶も鮮明で、関連資料も残っていた」と指摘。勝さんの父義春さんも会見で「100%満足とは言えないが、調査委は限られた権限の中でよく調べてくれた。市長には子どもの目線を大切にするよう学校や市教委の意識改革をやってほしい」と話した。

(川上眞)

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平成30年9月7日朝日新聞西部本社版

始業式直後の中3自殺 母親「悩んでいる様子なかった」

鹿児島市内の公立中学3年の男子生徒が自宅で自殺した問題で、母親が6日、朝日新聞などの取材に応じ、「悩んでいる様子はなかった」と話した。「学校や先生方は事実を話してほしい」と語り、第三者委員会の設置を求める考えを示した。学校側は同日、報道各社の取材に、「調査中」と繰り返した。

市教育委員会によると、男子生徒は夏休みの宿題を一部提出しなかったため、3日の始業式の直後、担任の女性教諭から10分程度の個別指導を受けた。この際、体験入学した高校の寮生活への不安を漏らしたという。

一方、母親は「進路に悩んでいる様子はなかった」と反論。生徒は漁師になる夢を持ち、数カ月前からは塾に通って成績も上がった。夏休みに鹿児島県内の高校に体験入学した後も、「めっちゃ楽しかった」と喜んでいたという。

笑顔がかわいい子だったといい、母親は「料理が得意で、釣った魚をさばいてくれた。成績も上がり頑張っていたのに」と声を震わせた。

指導についても、「宿題を忘れた複数の生徒のうち、息子だけが最後まで残され、指導は約40分に及んだと他の生徒らから聞いた」と話した。

学校側は、校長が中学校で約1時間にわたって取材に応じた。進路に対する不安の有無などの点について、母親の認識と食い違いがみられることに対して問われると、「調査中」と繰り返した。個別指導の場に居合わせた教職員らから聞き取りを進めており、今後は生徒の同級生らからも聞き取りたい、とした。(小瀬康太郎、野崎智也)

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