平成31年4月13日付河北新報

<宮城・亘理中2自殺>遺族、県教委に要望「第三者委設置を」

宮城県亘理町の町立中2年の男子生徒(14)が今年3月に自殺した問題で、遺族は12日、県教委に真相究明のための第三者委員会を速やかに設置するよう求める要望書を提出した。

「自死に向かわせた原因が分からないまま現在に至っている。学校で何があったのか知りたい」と訴えている。  要望書によると、男子生徒が通っていたのは亘理町吉田中。昨年9月ごろから体調不良を訴えるようになった。今年2月、同中の男性教員が背中のシャツが出ていた男子生徒に「赤ちゃんみたいだな」などと発言し、男子生徒が泣いているのを別の教員が見つけて保護した。  3月初めに母親に「学校に行きたくない。死にたくなる時がある」と打ち明けた。家族は当時、学校に状況を伝えたが、適切に対応してくれなかったという。  第三者委に遺族推薦委員を半数入れることや、教員や生徒を対象にしたアンケートの実施なども求めた。  男子生徒の父親(52)から要望書を受け取った県教委義務教育課の奥山勉課長は「遺族に寄り添った対応をしたい。第三者委を県に設置するかどうかは町教委と協議する」と話した。  亘理町の山田周伸町長は「町内の中学生が亡くなられたことは残念でならない。今回の事案を重く受け止め、今後二度と起きないよう、事実関係の把握に努める」との談話を出した。  町教委は改めて学校側に事実確認を行い、第三者委の設置について県教委と協議する方針。  父親によると、男子生徒は3月9日、自宅で亡くなっているのを父親が見つけた。県警は遺体の状況から自殺と判断した。遺書は見つかっていない。

 

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平成31年4月11日付朝日新聞群馬版

高2自殺 第三者委員会がいじめとの関連を調査へ

前橋市で2月に群馬県立高校2年の女子生徒(17)が自殺した事案で、県教育委員会は10日、臨時の県教委会議を開き、第三者委員会での調査を決定した。4月中にも初会合がある。

3月末に報告された学校の基本調査の妥当性を検証し、いじめ行為の有無や自殺との関連を調査する。

第三委「県いじめ問題等対策委員会」は弁護士や精神科医、教育関係者ら5人で構成される県教委の常設の付属機関。今回の自殺がいじめ防止対策推進法の「重大事態」に相当するとし、改めて事実関係を確認。必要に応じて関係者から聞き取りなどをする。

学校の調査は、教職員や同級生から聞き取りなどを実施。一部言動でいじめを認めたが、自殺との関連は第三委の判断に委ねるとした。いじめを苦にした自殺として原因究明を求めている両親は反発している。(丹野宗丈)

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平成31年4月7日付朝日新聞

中2自殺「いじめの疑い」 第三者委設置、佐賀の私立中

佐賀県基山町の私立東明館中学・高校は6日、記者会見を開き、中学2年だった14歳の男子生徒が先月23日に自殺していたと発表した。遺族の話から、いじめで自殺に追い込まれた疑いがあるとみて、第三者委員会を設置して調べるという。

同校は「遺族の意向などにより、自殺の状況や、いじめの疑いがあると判断した根拠は現時点では答えられない」としている。

同校によると、生徒が自殺した前日の先月22日は終業式があり、生徒も出席していた。今月1日になり、遺族から学校に自殺について連絡があった。学校はいじめ防止対策推進法の「重大事態」と捉え、翌2日に県へ報告し、第三者委を設けることにした。

第三者委は、県臨床心理士会長の高尾兼利・西九州大教授を委員長に、弁護士や精神科医ら計5人で構成。月内にも初会合を開く。高尾教授は県いじめ問題対策委員会の委員長。

同校は6日、緊急の保護者会を開き、生徒の自殺について説明。この日あった始業式で在校生にも知らせたという。(大野博)

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平成31年2月5日付河北新報

仙台市いじめ防止条例案 母子心中受け項目追加 2月定例会初日 提出へ

仙台市で昨年11月、泉区寺岡小2年の女児(8)へのいじめを苦に母子が無理心中したとみられる事件を受け、市は4日、制定を目指しているいじめ防止条例案に、新たに対応を盛り込む方針を決めた。既に発表した当初提出議案に項目を加え、市議会2月定例会開会日の7日に提案する見通し。  条例案にはいじめられた児童生徒、いじめを受けた子どもや双方の保護者と学校側が、共通の理解の下、いじめの事実の確認や支援、指導を進めていくことを追加した。  事件を巡り、学校などの対応が不十分だったと訴える遺族側に対し、学校側は一定の対応をしたと説明するなど、認識の違いが明らかになっていることを踏まえたという。  郡和子市長は1月29日の定例記者会見で、事件を受け「(新たに)盛り込むべきことがあるか、足らざることはないか調べている」と説明し、同日発表の提出議案に含めなかった。  この項目を含め、条例案は計55条で構成。児童生徒がいじめをした要因の把握と対応を学校側に求めるほか、いじめ防止を目的に教職員による体罰や不適切な指導を禁止することなどを盛り込んだ。  いじめ被害を訴えて市立中学生3人が相次いで自殺した問題を受けて設置した市いじめ対策等検証専門家会議の後継組織として、常設の「いじめ防止等対策検証会議」の設置を定めた。  市はいじめ防止対策推進法などに基づいて具体的な施策の内容を定める市いじめ防止基本方針も改定する方針。いじめ関連の各委員会の検証結果などを踏まえ、児童生徒の入学・転入時の引き継ぎ、会員制交流サイト(SNS)を活用した相談しやすい環境整備の徹底などを追加する。

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平成31年4月5日付京都新聞

「教員の不適切な対応」いじめ事案で報告書 野洲市

滋賀県野洲市内の中学校で2年生の男子生徒がいじめを受け昨年11月から不登校になっている問題を調べていた市小中学校いじめ問題専門委員会は4日、野洲市教育委員会に調査報告書を提出した。同級生4人によるからかい行為など9件をいじめと認定し、教員の不適切な対応がいじめをエスカレートさせたと指摘。学校内で情報を共有する態勢の不備に

ついても改善を求めた。

専門委員会は、学識者ら5人で組織する市教委の諮問機関。被害生徒の欠席期間が、県いじめ防止基本方針で「重大事態」と定める30日間を超えたため、1月22日に市教委から諮問を受けて調査を始めた。

報告書によると、被害生徒は昨年5月下旬~10月、同級生から「あほ」などとからかわれたり、本を取り上げられるなどした。11月には無料通信アプリLINE(ライン)を使って顔を変に加工した写真を掲載されたこともあった。

学校の対応については、複数の教員がからかい行為を見ていながら、いじめと認知せず、適切な指導をしなかった▽10月のいじめアンケートで被害生徒が過去にいじめを受けたと回答したが、直ちに聞き取りをしなかった▽いじめ行為の報告基準が明確でなく、情報の共有が遅れた-ことなどを問題点として挙げ、このことが「組織的な対応を遅らせ、重大事案に

つながる一因となったことは明白」と指摘した。

西村健教育長は「提言を真摯に受け止め、教員のいじめ認識能力や組織対応のあり方を改善したい」と話した。

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平成31年4月1日付朝日新聞

群馬高2自殺、学校がいじめ認定 原因究明は第三者委へ

前橋市で今年2月に自殺した群馬県立高校2年の女子生徒(17)について、学校は31日、原因究明を求めていた両親に調査結果を報告した。いじめにあたる言動が一部であったと認めた一方、自殺との関連の判断は県教育委員会が設ける予定の第三者委員会に委ねる考えを示した。

学校によると、教職員や同級生の聞き取りのほか、女子生徒の死後に見つかったメモなどを調査。1月18日にあった予餞(よせん)会(3年生の送別会)の打ち合わせで、クラス発表の配役をめぐる他の生徒の発言に女子生徒が苦痛を感じた点をいじめと認定した。

女子生徒の母親から昨年7月、「娘が(授業を苦に)自殺未遂を図った」と連絡があったり、一昨年10月に担任らの指導で女子生徒が涙を流して帰宅したりした事例も明らかにした。

学校は「生徒からの相談への組織的な対応に課題があった」とし、校長が謝罪した。(丹野宗丈、森岡航平)

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平成31年3月29日付朝日新聞鹿児島版

いじめ再調査委の報告 母「正しい調査を」

鹿児島いじめ再調査

田中拓海さんの写真をそばに置いて記者会見する母親=鹿児島市

27日、いじめを自殺に至る主な要因とする報告書をまとめた県いじめ再調査委の結果を受け、2014年8月に自殺した田中拓海さんの母親(56)は、記者会見を開いた。かかった時間の長さに悔しさをにじませながらも「穏やかな感情になれた」と時折、笑顔を見せた。

冒頭、田中さんが中学を卒業した際にもらった手紙を朗読した。「悪さをすれば厳しくしてくれた母。義務教育最後の日まで、よく育ててくれてありがとうございました」。声を震わせながら読み上げ「本当に普通の子だった。この手紙のたった5カ月後に亡くなったということを多くの人に考えてほしい」と訴えた。

自殺した日から、今回の報告書までかかった4年7カ月。「いつになったら知れるんだろう。時間がかかるうちに拓海のことを雑に扱われているような気がした」と心労をにじませた。当初、息子の名前を匿名にしたが、再調査委が始まる前の昨年4月、報道陣に顔写真とともに公開。「拓海の存在を忘れないでほしい」という思いだった。

報告書を受け、母親は三反園訓知事と面会。「我が子の死の原因を明らかにしようと全力を尽くすのが子への弔い。今後は速やかに正しい調査が行われるように改善策を作ってください」と要望した。三反園知事は報道陣に「県教委の調査はうまくいったとは思っていない。遺族に寄り添う形で行うべきで、教育長とも話し合っていきたい」と述べた。(野崎智也)

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平成31年3月28日付朝日新聞

久留米の高2自殺、いじめが原因 県教委の三者委が認定

福岡県久留米市の県立高校2年の男子生徒が昨年6月に自殺し、県教委の第三者委員会は27日、ほかの生徒からのいじめがあったと認定し、自殺との因果関係を認める報告書を県教委に提出した。

報告書によると、男子生徒は野球部に所属。昨年4月から6月ごろまで、他の部員からズボンを下ろされたり、ベルトを取られたりしたほか、携帯電話を何度も隠されるなどした。亡くなった当日、ほかの部員とのトラブルで非難されたうえ、通学用の靴とスパイクのひもを結びつけられ、LINEのグループから外された。

第三者委は、これらの行為を男子生徒へのいじめと認定。「自死に至ったという因果関係を認める」と結論づけた。

県教委は昨年7月、大学教授や弁護士らでつくる第三者委に調査を諮問していた。

県教育長は「生徒の自死に関し、複数のいじめが認定され、因果関係が認められたことを重く受け止める。内容を精査し、県教委として報告書をまとめたい」とのコメントを出した。

 

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平成31年3月27日付東京新聞

取手中3自殺 いじめ隠蔽認める 市教育長、否定一転「意図的」

茨城県取手市で二〇一五年十一月に市立中学三年の女子生徒=当時(15)=がいじめを苦に自殺した問題で、いじめの意図的な隠蔽を否定していた市の伊藤哲教育長は二十六日、一転して「客観的には意図的と判断せざるを得ない」と認めた。当初いじめの事実さえ認めなかった市教育委員会の隠蔽体質が改めて問われそうだ。市教育委員会が同日開いた臨時会合後の記者会見で明らかにした。

市教育委員会は一六年三月、自殺について「いじめによる重大事態ではない」と議決。不信感を抱いた生徒の両親からの訴えで県が調査委員会を設置。二十日に公表された調査報告書は、いじめと自殺の因果関係を認めた上で、市教委事務局の職員が「議決を導くため、教育委員に都合の悪い情報を提供せず、ミスリードするような姿勢だった」と意図的な隠蔽を示唆していた。

報告書の発表直後、伊藤教育長は「意図的、恣意的ではなく、いじめ防止対策推進法の無理解による」と述べていた。この点について伊藤教育長は会見で「隠蔽する意図を確認できていないという意味で発言していた」と釈明した。

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平成31年3月26日付毎日新聞

いじめを半年以上放置 広島・呉の中3下着脱がされ精神疾患

呉いじめ

広島県呉市の市立中学3年の男子生徒(15)が下着を脱がされるなどのいじめで不登校になり、精神疾患を発症したと訴えたのに、学校が半年以上「重大事態」として扱わず第三者委員会の設置などの対応をしなかったことが分かった。国の指針では被害者が申し立てた場合、学校は重大事態を前提に報告・調査するよう規定。下着を脱がされる行為も重大事態として例示している。

専門家は「対応が遅すぎる」と指摘している。

男子生徒、保護者の祖父らや県教委によると、男子生徒は1年生の時から同級生にシャツやズボンを破られるなどのいじめを受けていた。2年生だった2017年11月下旬、3回にわたり、昼休みに教室で同級生4~6人に床に倒され、手足を押さえられてズボンと下着を脱がされた。昨年4月下旬から一時不登校になり、同6月には不安障害と睡眠障害の診断を受け、現在も

治療を受けている。

祖父らは「重大ないじめ被害」として17年11月のいじめの直後から、学校に調査を求めた。学校は同級生への聞き取り結果を男子生徒側に報告せず、「グループ内の罰ゲーム」などの説明を続けた。しかし、昨年11月に市教委から重大事態として再検討すると連絡があり、今年2月には「重大事態に認定し、第三者委を設置したい」と伝達。これまで認定しなかった理由について校長らは「調査が被害生徒の負担になることなどを考慮した」と釈明したという。

重大事態は、いじめ防止対策推進法に基づいて規定。国の指針では「いじめで子供の生命・心身・財産に重大な被害が生じ、または欠席を余儀なくされた疑いがある場合」と定義し、市教委への報告や調査を求めている。過去の事例として「多くの生徒の前でズボンと下着を脱がされ裸にされた」というケースも紹介。子供や保護者から申し立てがあれば、学校側の判断にかかわらず重大事態として対応するよう明記している。

市教委は毎日新聞の取材に対し、「個人情報保護と教育的配慮の観点から答えられない」としている。【小山美砂】

「遊び」と学校説明

「学校から(下着を脱がすのは)遊びと説明された。いじめを軽く見ていると思った」。男子生徒は涙を見せ、学校への不信感と今も続く苦しみを語った。

服を破られるなど1年生の時から始まったいじめは、次第にエスカレート。2年生になって教室で無理やり下着を脱がされた。「眠れなくなり、同級生や先生の顔を見るのはつらかった」

下着を脱がす行為は国の指針でも挙げられた深刻ないじめ。しかし、学校は男子生徒の訴えを否定した。祖父らに「シャツを破ったのはじゃれていただけ。下着を脱がしたのは当時のブームで、

グループ内の罰ゲーム」などと説明したという。

学校が子供のSOSを放置し、最悪の事態を招くケースが全国で相次ぐ。家族は情報を十分知らされず深く傷つく。2011年に大津市立中学校で起きたいじめ自殺の調査にも関わった渡部吉泰

弁護士(兵庫県弁護士会)は「学校は真摯に調査し、当事者に説明を果たす義務がある」と指摘する。

男子生徒は今月の卒業式まで学校を休みがちだったが、今は高校で部活動に打ち込む目標が心の支えだ。「きちんと調査し、いじめがあったという事実を分かってほしい」と声を振り絞った。

【小山美砂】

 

「いじめに軽重ない」

教育評論家の尾木直樹・法政大特任教授の話 不登校と精神疾患が出た時点で重大事態と認定し、早急に対応すべき事案だ。自殺など命に関わるいじめだけが「重い」のではない。服を脱がせるなど性的な嫌がらせは本人の尊厳を深く傷つける。学校や教育委員会はいじめに軽重はないという認識をもち、被害者のために動くべきだ。

 

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