平成30年2月20日毎日新聞
南相馬中2自殺 「複数男子生徒の継続的いじめが主原因」
阿部貞康教育長(左)に答申する第三者委員会の若杉裕二委員長=福島県南相馬市原町区本町の南相馬市役所で2018年2月19日午後7時1分、
高井瞳撮影
市教委の第三者委が最終報告書を答申
日記などでいじめを訴えていた福島県南相馬市立中2年の女子生徒(当時14歳)が昨年2月に自殺した問題で、市教委の第三者委員会(委員長、若杉裕二弁護士)は19日、「複数の男子生徒による継続的ないじめが自殺の主な原因」とする最終報告書を市教委に答申した。担任教諭らがいじめを止められなかったことについて、「いじめの情報を一部の教員が抱え込んでいた」などと学校側の対応能力を問題視している。
女子生徒は昨年2月11日夜、自宅の自室で自殺した。報告書は市教委の調査と同様、複数の男子生徒に「汚い」とばい菌扱いされたり、わざと体をぶつけられたりするいじめがあったと認定した。
また報告書は、学校側の問題に言及。教員間で話し合いの時間がとれず情報が一部の教員にとどまり、他の教員のバックアップ体制が不十分だったと指摘した。また、校長は一般教員との距離に隔たりがあり、リーダーの役割が不十分とした。教諭らによる週1回の生徒指導委員会も、経過報告で終わることが多く、具体的対応策の検討などが行われていなかったと非難した。
詳細は21日公表だが、関係者によると、校長にはいじめの存在すら報告されていなかった。【大塚卓也】