平成30年6月5日付神戸新聞NEXT

神戸・中3自殺 「ほかの地域で起こらないと言えない」文科省一問一答
垂水中3女子4
文部科学省の生徒指導室長に、一連の問題を謝罪する神戸市教育委員会の川田容三教育次長(右端)ら=5日午後、神戸市役所

戸市垂水区の市立中学3年の女子生徒=当時(14)=が自殺し、同級生らの聞き取りメモが隠蔽(いんぺい)された問題で、文部科学省児童生徒課の松林高樹生徒指導室長らが5日、神戸市教育委員会を訪れ、指導した。市教委幹部との面談後、報道関係者の取材に応じた同室長の一問一答は次の通り。

(冒頭説明)

「市教委職員がいじめに関するメモの隠蔽を当時の校長に指示していたのは不適切で、極めて遺憾だ。いじめ防止対策推進法に規定されている重大事態の調査は、教職員が真実に向き合って真摯に調査に協力するというのが前提だ。不誠実な対応は行政に対する信頼を失墜させる」

「首席指導主事と当時の校長に対応を任せていたために今回の事案が起きた。市教委には組織的な対応を見直し、再発防止策の策定と関わった職員の懲戒処分を検討するよう求めた」

(質疑)

-いじめ防止対策推進法ができてから、市教委を直接指導した事例はあるか。

「年に数件はある。法に基づき、不適切な対応があれば事案に応じて文科省幹部、副大臣が指導に行く。文科省に来てもらって指導することもある」

-今回はどのような点を特に問題視したのか。

「いじめ防止対策推進法の重大事態は任意の調査。教職員が不都合なことも含めて真実に向き合って対応することが前提だが、今回の事案の発生直後にスクールカウンセラーらが事情を聞き取ったメモを『破棄した』と遺族に回答したのは適切ではない」

-市教委は「組織的な隠蔽はない」とするが。

「首席指導主事と当時の校長が話し合ってメモが既になかったことにしようと決めた。市教委全体の判断ではないと考えている。ただ、遺族に伝える前に、首席指導主事の判断だけでなく、上司に報告、相談し回答すべきだった。市教委の重大事態に対する組織対応が不十分だったと言える」

-昨年8月にメモの存在が教育長まで報告されたが、半年放置されたことについては。

「その点も指導した。昨年8月には、新しい校長が、メモが実際にはあると市教委幹部に伝え、教育長まで報告された。その後、調査の指示があったが、『破棄されたはず』との報告だった。説明に食い違いがあり、再度しっかり調べるべきだったが、その後迅速に対応していなかった。この点も、市教委の組織的な対応が十分でなかったと指導した」

-他地域でも同様の事案が起こると、調査の前提が覆る。危機感から指導に来たのか。

「ほかの地域の教育委員会で起こらないとは言い切れない。今回の不適切な事案を神戸市教委が検証し、全国にも教訓事例として周知徹底していきたい」

-いじめに関しては、市長部局での再調査が決まっている。

「ほかにも再調査をした例はある。市長や都道府県のリーダシップの下で適切に調査されたと考えている。今回、破棄したとされるメモや経緯などについて、市教委から市長部局、調査委員会にもしっかり情報提供し、可能な限り協力すると思っている」

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