平成30年4月20日付河北新報
口にテープ貼る 頭を平手打ち 性的な話 仙台市教委アンケート調査後も体罰や不適切指導6件
仙台市教委などが全市立学校に対するアンケートを実施した2017年夏以降も、生徒の口にテープを貼ったり、頭をたたいたりするなど教員による体罰や不適切指導が6件行われていたことが19日、分かった。市の第三者機関、いじめ対策等検証専門家会議で市教委が明らかにした。 市教委によると、17年9月~18年2月に小中学校で発生・発覚した。市立中学生の自殺が3件相次ぎ、調査を進める中での事態に、市教委幹部は「非常に重く受け止めている。教員が自覚を持って指導に当たるべきなのに、こういうことが起きてしまった」と反省の弁を述べた。 新たな体罰は3件あった。中学の男性教員が授業中に私語を続ける男子生徒2人の口に養生テープ(マスキングテープ)を貼ったほか、別の中学校では男性教員が教材を投げた男子生徒の頭を平手打ちした。 不適切な指導は3件。小学校の女性教員は17年10月の衆院選で授業中に選挙カーの音がうるさいとして「そのような候補者は好ましくない」と発言した。 別の女性教員は学級で教科と無関係な性的な話をした。中学の男性教員は生徒の自己評価カードの感想欄に「あ」「おー」など意味不明なコメントを書いた。
<仙台市教委>体罰・不適切指導287件 児童生徒が負傷は6件 17年度・小中高調査
教諭の体罰や不適切指導を公表し、陳謝する市教委幹部
仙台市教委と市は19日、昨年度に合同で行った体罰に関する全市立学校のアンケートの最終集計結果を公表し、教員による体罰と不適切な指導計287件を確認したことを明らかにした。このうち、体罰を受けて児童生徒が負傷したケースが6件あった。 体罰は小学校35件、中学校12件、高校2件の計49件あった。関与した教員は46人に上った。 小学校は「手でたたく」(9件)「手で突く、押す」(5件)などの行為を確認。体を引きずって擦り傷を負わせたり、体を床に押し付けて背中を打撲させたりして、児童がけがを負った事例が4件あった。 中学校は「手で突く、押す」(4件)「物でたたく」(3件)「胸ぐらをつかむ」(2件)など。高校は部活動中に教員が男子生徒の頭を平手打ちして髪を引っ張り、鼻血が出るケースがあった。 暴言や無視など不適切な指導は238件。内訳は小学校153件、中学校81件、高校2件、特別支援学校2件。「臭い」「気持ち悪い」「かわいくないから指導しても無駄」といった発言があった。 市の第三者機関「いじめ対策等検証専門家会議」で19日、報告された。最終集計段階で、児童生徒計1659人(回答者の4.7%)が「体罰を受けたり、見聞きしたりした経験がある」と答えたため、市教委と学校が事実を確認した。 市教委は体罰や不適切な指導に関与した教員に対し、5月中旬をめどに処分を含めた指導を行う方針。加藤邦治副教育長は「児童生徒、保護者に迷惑を掛けて申し訳ない」と陳謝した。