平成30年10月11日読売新聞
いじめ自殺謝罪の教育長、遺族を「お前」と呼ぶ
新潟県新発田市立中学2年の男子生徒が昨年6月、いじめを理由に自殺したとみられる問題で、男子生徒の父親と代理人弁護士が10日、市教育委員会に対し、第三者委員会の調査報告書の提言に基づいて、教員の増員やいじめに関する組織的な情報収集などを実行するように申し入れ書を提出した。
第三者委は「自殺の原因はいじめと推定される」とした調査報告書で、再発防止に向けて「教員定数の増加」「教職員によるいじめに特化した情報収集」など、職場環境の改善や体制づくりを提言した。
申し入れ書を受け取った市教委学校教育課は「いじめの早期発見、未然防止、二度とこのようなことがないようにやれることを精一杯やりたい」と応じた。
父親は申し入れ書を提出した後、報道陣に対し、5日に市教委から自宅で調査報告書の説明と謝罪を受けた際、山田亮一教育長に「お前」と呼ばれる不適切な発言があったことを明らかにした。
山田教育長は、父親が小学生の頃の担任教諭で、年に数回は顔を合わせる仲だったが、父親は「息子のことが軽く見られているのではないか。怒りとあきれの気持ちだ」と厳しい表情で語った。
市教委と山田教育長は10日、学校説明会への出席を父親に問う際に不適切な発言があったことを認めた。山田教育長は「ご遺族を深く傷つけたことにおわび申し上げる。私の不徳の致すところで、これまで以上にご遺族のつらく悲しい思いをしっかりと受け止めて対応する所存」とのコメントを発表し、改めて謝罪する意向を示した。