令和元年7月8日付朝日新聞
暴力や金銭要求、同級生らに実態調査へ 岐阜の中3自殺
岐阜市の中学3年の男子生徒が転落死し、自宅からいじめを示唆するメモが見つかった問題で、市教育委員会は8日、生徒が通っていた中学校で、いじめの実態を調べるためのアンケートを始めた。
アンケートは3年生全員と死亡した男子生徒と同じ部活動の計約200人が対象。週内にも回収し、第三者委員会が調査する。
生徒の死亡後、学校には暴力や金銭要求を受けていたとの情報が寄せられ、市教委は生徒がいじめを受けていたと判断。第三者委が年内にも調査結果をまとめる。
市教委によると、5月末、いじめ被害を示唆するメモを男子生徒の同級生が担任に渡したが、担任は一部の事柄への指導にとどめていた。担任はメモを学年副主任の教諭だけに見せ、シュレッダーで廃棄した可能性が高いという。
また、男子生徒は1、2年生のときの定期アンケートでも「嫌なことをされた」「暴言をはかれた」と記したが、進級後の新クラスごとに結果を引き継ぐ仕組みがなかったことも新たに分かった。
この問題を受け、文部科学省は8日、担当者を岐阜市に派遣し、真相の解明や再発防止、遺族への対応、他の生徒の心のケアなどについて指導した。(高木文子)