2021年4月22日朝日新聞

遺体で発見された中2、旭川市教育委がいじめ有無調査へ

写真・図版

記者会見する北海道旭川市の西川将人市長(右)と黒蕨真一教育長=2021年4月22日午後4時17分、旭川市役所、井上潜撮影

 北海道旭川市で自宅を出た後に行方不明になり、3月に遺体で発見された市内の中学2年の女子生徒(当時14)が、以前に他の生徒らとトラブルになっていたとして、市教育委員会は22日、いじめの有無について第三者委員会で調査することを決めた、と発表した。女子生徒の母親は朝日新聞の取材に「いじめを受けていた」との認識を示した。

捜査関係者らによると、女子生徒は今年2月13日に行方不明になった。北海道警旭川東署が同日に届け出を受け、3月に入り公開捜査していたところ、同23日、市内の公園で雪の中から遺体で見つかった。死因は低体温症とみられ、署などは事件性はないと判断したという。

関係者によると、女子生徒は中1だった2019年、ネットでの自らの画像のやり取りなどをめぐり、他の生徒らとトラブルになった。同年9月に学校側が女子生徒の保護者と他の生徒らの保護者が集まる場を設け、他の生徒側が謝罪した。女子生徒は、市内の別の中学校に転校したという。市教委は当時の調査について、「当事者からの聞き取りの結果、いじめの認定には至らなかった」としている。

この問題は今月15日、文春オンラインが「いじめ」として報じた。これを受け、市教委は22日の市総合教育会議で西川将人市長や教育委員に経緯を報告し、第三者でつくる市教委の「いじめ防止等対策委員会」で調査することを決めた。会議後、取材に応じた西川市長は「我々が認識していた状況と、文春の報道に大きな違いがあった。いじめの疑いも含め、しっかり調査したい」と述べた。

女子生徒の母親は22日、弁護士を通じて「娘は生前、勉強したり絵を描いたりすることが大好きな子でした。イジメに悩まされながらも必死で生きてきました。市の調査が進み、これまで明らかにされなかった情報が開示され、真相が一刻も早く究明されることを願っております」との談話を出した。(井上潜、本田大次郎)

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

Post Navigation