【10月13日付 神戸新聞NEXT】
2007年に兵庫県立龍野高校(たつの市)テニス部の練習中に倒れ、寝たきりとなった同県太子町の女性(25)と両親が県に損害賠償を求めた訴訟で、女性側は13日、県に介護費用など約2億3千万円の支払いを命じた大阪高裁の判決を不服として県が上告した最高裁を訪れ、上告棄却を求める要請書を提出した。
女性は梨沙さん。事故当時は同校2年の硬式テニス部キャプテンで、練習中に不整脈を発症し倒れた。
今年1月、二審の大阪高裁判決は、不整脈の原因を熱中症と認定し、顧問教諭には指導義務違反があったと指摘し、学校側の責任を認めた。県は2月に上告した。
両親らは判決の維持を求めるため、3万8425人分の署名を集め、最高裁に提出。東京・霞が関の司法記者クラブで会見し、父の正則さん(52)は「今後、学校で同じような不幸な事故を出したくない」、母の弘美さん(53)は「県にはせめて当時何があったのか、どうすれば事故を防げるのかを考え、取り組んでもらいたかった」と話した。(藤森恵一郎)
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【NHK神戸放送局】
部活中事故 最高裁に署名提出
8年前、兵庫県の県立高校で部活動の練習中に倒れて重い障害が残り、県に賠償を求めている女子生徒と家族が、13日最高裁判所を訪れ、学校側の過失を認めた2審の判決を確定させるよう求める署名を提出しました。
この裁判は、平成19年5月、兵庫県立龍野高校で2年生の女子生徒がテニス部の練習中に倒れ、重い障害が残った事故をめぐり、本人と両親が学校の安全管理に問題があったと訴えているものです。
1審の神戸地方裁判所は訴えを退けましたが、2審の大阪高等裁判所は、熱中症が原因と認めた上で、顧問の教師が長時間の練習を指示するなど学校側の対応に過失があったと指摘し、兵庫県におよそ2億4000万円の賠償を命じました。
判決を受けて兵庫県は、「倒れた原因は熱中症ではなく、顧問の教師が熱中症を防ぐために練習を軽くする義務もない」などとして上告しています。
これについて、女子生徒と家族は、13日、最高裁判所を訪れ、兵庫県の上告を退けて2審の判決を確定させるよう求める3万8000人あまりの署名を提出しました。
このあと家族は、東京・霞が関で記者会見を開き、女子生徒も車いすに乗って同席しました。
母親は、「娘を守ってやれず無念でなりません。熱中症による学校の事故をなくすためにも最高裁判所には2審の判決を確定させてもらいたいです」と訴えました。
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/2025593341.html?t=1444740954815
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【読売テレビ】
熱中症訴訟 学校に責任…最高裁に申し入れ
8年前、兵庫県立高校の部活動中に倒れ、寝たきりとなった女性の両親らが「学校が安全配慮義務を怠ったため、娘は熱中症で倒れた」として、兵庫県と係争中の裁判で、家族は13日、学校側の責任を求めて最高裁判所へ申し入れを行った。この日、最高裁判所を訪れた家族。娘の梨沙さんは、兵庫県立龍野高校の2年生だった8年前の5月、テニス部の練習中に倒れ、一時、心肺停止の状態となった。
幸い、一命は取り留めたものの、脳に酸素が十分届かず、重度の障害が残った。父の正則さんは「目も見えない、話すこともできない、食べることも手足を動かすこともできない、残念ながらそういう状況です」と話す。当時、テニス部のキャプテンだった梨沙さん。本来、練習に付き添うはずの顧問が、その日は出張のため不在だった。練習最後のランニング中に梨沙さんは意識を失ったのだ。両親らは「学校側が安全に配慮する義務を怠ったため、梨沙さんが熱中症で倒れた」として兵庫県を提訴。
一審の神戸地裁では、訴えは棄却されたが、ことし1月の大阪高裁は、梨沙さんが熱中症に陥ったと認定。
将来の介護費用などおよそ2億3千万円の支払いを兵庫県に命じた。その後、兵庫県は大阪高裁判決を
不服として、最高裁に上告している。兵庫県教育委員会事務局体育保健課の船田一彦課長は「熱中症が
多発する時期ではない5月に、専門家でない顧問教諭が熱中症を予見するということは不可能」という。
「娘のような事故を、繰り返してほしくない」。両親は、最高裁判所でも学校側の責任が認められるよう署名活動を続けてきた。そして13日、梨沙さんと両親は集まったおよそ3万8千人分の署名を手に最高裁判所へ。
兵庫県の上告を棄却し、学校側の責任を認めるよう申し入れを行った。正則さんは、「何も変わらない、何も安全に対して考えていけない兵庫県には、我々が声を上げていかないと同じような事故が繰り返されてしまう。
同じような事故があってはならないという思いで、署名を提出させて頂きました。我々の主張が極めて当たり前だということを、最高裁には判断して頂きたいです」と訴える。8年前の部活動中に起きた事故の責任は誰にあるのか。梨沙さんと家族らは、最高裁の判断を待つ。
http://www.ytv.co.jp/press/kansai/D10596.html