埼玉県川越市で平成24年、同級生から暴行を受けて寝たきりになった当時中学2年の少年(19)と母親が市と同級生らに損害賠償を求めた訴訟で、市と原告側の双方は、市と同級生に約1億4800万円の賠償を命じたさいたま地裁川越支部の判決を不服として、東京高裁に控訴した。いずれも4日付。
控訴理由について市側は、少年への暴行は冬休み期間中の部活動から帰る途中で、通常の通学路から離れた公園で行われており、「学校が負うべき責任の範囲ではない」としている。川合善明市長は「学校や教員がどこまで責任の範囲を負うべきかを再度判断いただこうと考えた」とコメントした。
原告側は、母親は少年が現在入所している施設を退所後に在宅介護を希望しており、その費用が認められなかったためとしている。
判決によると、少年は公立中2年生だった24年1月、公園で同級生3人から暴行を受けた。地裁川越支部は、以前からあったいじめに学校側が適切な措置を講じず、注意義務を怠ったと指摘した。