平成29年2月8日 河北新報
<仙台中2自殺>公的機関に母親の相談記録
仙台市泉区の市立中2年の男子生徒=当時(14)=が2016年2月、いじめを苦に自殺したとみられる問題で、生徒の母親が15年12月、いじめについて学校に相談していた記録が公的機関の相談窓口に残っていたことが8日、分かった。学校側は「相談はなかった」としてきたが、遺族側の証言が裏付けられた。
相談窓口の担当者が作成した記録によると、母親が学校に相談したと主張してきた15年12月16日の欄には、生徒の状況について「学校(○○先生・○○先生・○○先生)に伝えた」と担任を含む教諭3人の実名が記されていた。
他にも「先生が話を聞いてくれない。先生にはもう言わない。もうアンケートには書かない」「いつもたたかれる」「『顔が悪い。整形しろ!』『死ね!』と言われる」と詳しい記述があった。
翌17日は「学校、○○先生に電話をした」「不登校一歩手前くらいまで(気分が)めいってきた感じ」と、生徒が追い込まれていた様子も記載されていた。
遺族によると、相談窓口の担当者は生徒が自殺した直後の16年2月下旬、母親の相談を時系列にまとめた一覧表を作成し、その後、学校に提出した。両親が今年1月下旬、一覧表について学校にただすと、校長は「市教委に提出した」と答えたという。
市教委教育相談課の志賀琢課長は取材に「市教委と学校は『相談はなかった』と認識している」と説明。
「相談の有無は重要なポイント」と指摘し、市教委第三者委員会のいじめ問題専門委員会の調査を待つ考えを示した。
いじめ問題専門委は、自殺した生徒が精神的な苦痛を受けた一因にいじめを挙げ、自殺との関連を認める答申を年度内にもまとめる方針。