平成29年5月1日河北新報

<仙台中学生自殺>「いじめ続いていた」遺族関係者

 仙台市青葉区の市立中2年の男子生徒(13)が自殺した問題で、遺族関係者が30日、取材に対し「いじめはずっと続いていた。トラブルが解消した事実はない」と証言した。校長は4月29日の記者会見で「生徒間で悪口を言い合うトラブルはあったが解消した」と説明。遺族関係者の認識と大きく異なっている。
 遺族関係者によると、同じクラスの複数の男子生徒からターゲットにされ、集団でからかわれたり、「臭い」「ばか」などと悪口を言われたりした。最近も「同級生にやられる」などと悩んでいたという。
 遺族関係者は「入学した直後から、ずっと同級生による嫌がらせに悩んでいた。トラブルが解消した事実はなく、学校側の説明に憤りを感じる」と話した。
 市教委によると、男子生徒は昨年6月と11月、全校生徒を対象にしたアンケートに「いじめられている」と回答。「無視される」「物を投げられる」などと書き込んでいた。
 校長は会見で「トラブルはその都度指導し、その後解消した。どちらが一方的という話ではない」との見方を示し、「いじめとは判断していない」と述べた。
 3月まで勤務した前校長は30日、取材に「全て市教委に伝えてある。何も話すことはない」と答えた。
 市教委によると、男子生徒は4月26日午前10時15分ごろ、自宅近くのマンションから飛び降り、死亡した。
 市内の中学校では2014年9月、泉区の館中1年の男子生徒=当時(12)=がいじめを苦に自殺。16年2月にも同区の南中山中2年の男子生徒=同(14)=が自殺し、市教委の第三者委が「いじめによる精神的苦痛が自殺の一因」と結論付けた。
 この2年7カ月で市内の中学生3人が自殺するという異常事態に、館中と南中山中生徒の父親2人は「息子の死が何ら教訓になっていない」と憤った。
 学校側は5月1日夜、初めて保護者説明会を開く。

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