「指導死」再発防止訴えるシンポジウム
教師から体罰や叱責を受けたあとに死亡した子どもの遺族などが、17日、東京でシンポジウムを開き、行きすぎた指導は子どもの自殺や不登校などにつながるとして、再発防止を訴えました。
このシンポジウムは[b]教師の指導をきっかけに子どもが死亡するケースを「指導死」と呼んで再発防止を求めている[/b]遺族などのグループが開いたもので、およそ40人が集まりました。
この中で、10年前に中学2年生だった息子を亡くした長崎県の安達和美さんは、「息子は生徒指導を受けている途中に校舎から飛び降りました。子どもの心を傷つけるような指導は死につながります。二度と同じことが起きないように、子どもに寄り添う指導をしてほしい」と訴えました。
また、高校の部活動での指導をきっかけに不登校になったという男子大学生が体験を語り、「たび重なる暴力や暴言が苦痛で学校に通えなくなった。今でも当時のことを夢に見ることがあり、大人の男性との会話が怖いなど影響が残っている」と打ち明けました。
シンポジウムを開いたグループによりますと、教師の指導をきっかけにした子どもの自殺や自殺未遂は平成に入ってから少なくとも50件に上るということです。不信に陥ったり心を病んでしまったりといった弊害があることを知ってほしい」と話していました。
グループの代表の大貫隆志さんは「自殺という最悪の形にならなくても、行きすぎた指導によって人間不信に陥ったり心を病んでしまったりといった弊害があることを知ってほしい」[/b]と話していました。
(5月17日 17時04分 NHK WEB)
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この「指導死」シンポジウムに星になった少年の父も登壇者として参加し、子どもを亡くした遺族が、学校・教育委員会の誠意のない対応に苦しんでいること、「指導死」の原因になった事実が、学校・教育委員会に隠蔽され、実態が把握しにくいと話した。
また、第三者委員会の委員長がもアンケートを私文書として保管するなど、教育委員会が遺族に対し説明責任を果たすために必要な公文書を「不存在」としていることは、遺族との情報共有や適切な情報提供を妨げる行為であり、「親の知る権利」を疎外していると訴えた。
調査委員会は、「東広島市教育長に報告書を提出することであり、遺族に質問に応える義務はない。報告書に分析評価の根拠を示す義務はない」といい、自死に至るまでに陥っていく過程やその事実を明らかにしておらず、包み隠していると話した。両親は、問題点が多くの疑問が残る報告書であるという。