「許すことはできないが…」自殺した中学生の両親と東広島市が和解 不適切指導を認め謝罪、再発防止も約束
2023年3月3日付RCC中国放送
11年前、広島・東広島市で男子中学生が自殺したのは、教員の行き過ぎた指導が原因だとして、両親が損害賠償を求めていた裁判。東広島市が、教員による不適切な指導で生徒が自殺したと認め、謝罪し、和解が成立しました。
生徒の母
「指導によって、わたしたちの一番大切な宝物だった息子の命を奪われたので、とうてい、先生方を許すことができませんが、和解は受け入れております」
訴えを起こしていたのは、東広島市立の中学校に通っていた当時、2年生の男子生徒の両親です。男子生徒は、2012年、複数の教員から相次いで強い口調でしっ責されるなどの「指導」を受けた後、学校近くの公園で首をつって自殺しました。
訴えで、両親は、学校側が安全配慮義務を怠ったとして東広島市などに1億1700万円の損害賠償などを求めていました。
広島地裁は1月、和解案を示していましたが、3日の裁判で和解が成立しました。
東広島市側は、男子生徒に対する指導について、▽威圧的・脅迫的なものがあったこと、▽机をけるなどの暴力的なものがあったことなどを認め、謝罪しました。
また、再発防止のために教員への研修を続けると確約し、遺族に和解金1000万円を支払います。
生徒の父
「わたしたちも遺族として再発防止には協力したいので、連携をとりながら改善を進めていただきたいと切に願っています」
東広島市は、「このような悲しいことが二度と起こることがないよう安全で安心して学べる教育環境づくりに取り組みます」とコメントしています。