2021年02月24日付熊本日日新聞
「主体性足りなかった」熊本市教育長 中1自殺調査委
2019年4月に熊本市立中1年の男子生徒が自殺した問題で、有識者でつくる市の詳細調査委員会(委員長・奥博司弁護士)は23日、市役所駐輪場別館で遠藤洋路・市教育長から意見を聴いた。
遺族の意見聴取は済んでおり、20年3月に生徒の自殺に関する報告書をまとめた市教委の代表として遠藤教育長を招いた。
自殺の理由について遠藤教育長は「現時点で判断できる材料がない」と述べ、詳細調査委で明らかになることを希望した。再発防止策としては、会員制交流サイト(SNS)を活用した相談事業などを挙げた。
一方、報告書提出に1年近くかかった理由については特殊なケースだったと説明。「遺族の要望を待たず、もっと主体的に提案して動いていくべきだったが、その姿勢が足りなかった」と述べた。
傍聴した生徒の母親(46)は「市教委には都合の悪いことでも、ありのままを認める勇気を持ってほしい」と求めた。(澤本麻里子)