平成31年3月14日付毎日新聞

「先生に相談できるようになって」マンション踊り場にメモ十数枚 小6女児2人死亡

愛知県豊田市のマンション敷地内で12日夜に倒れているのが見つかり、搬送先病院で死亡が確認された女児2人は、ともに12歳で同じ豊田市立小学校の6年生だった。クラスは別だが仲が良かったという。現場に遺書のような十数枚のメモがあったことなどから、県警豊田署は2人が自殺したとみている。

メモには死亡した1人が悪口を言われたと読み取れる記述があることが捜査関係者への取材で判明した。豊田市教育委員会は「現時点でいじめを把握していないが、慎重に調査する」としている。

豊田署によると、2人は12日午後7時ごろ、15階建てマンション敷地内で倒れているのが見つかった。このマンションに女児2人の自宅はない。現場にランドセルは見当たらず、豊田署は2人がいったん帰宅した後に、このマンションを訪れたとみている。

捜査関係者によると、このマンションの踊り場などにメモが十数枚残されていた。メモは2人がそれぞれ、家族や友人などに宛てて書いたとみられ、感謝の言葉もあった。

うち1人のメモには校長宛てのものがあり、そこにはもう1人の女児のイニシャルが書かれ、その子が「ばか」などの「悪口を言われた」との記述があった。さらに、その子がけんかになって仲直りをしたものの、その後の関係性が変化したことを説明していた。これを例に挙げて「(他の児童も含め)先生に相談できるようになってほしい」と校長に呼びかける内容が書かれていたという。

豊田市教委などによると、2人はクラスは別だったが、自宅が近いことなどから仲が良かった。12日は普段通り登校し、変わった様子は見られなかったという。小学校は20日に卒業式を控えていた。

小学校は年10回程度、いじめの有無などに関するアンケートを行っているが、2人の記載にはいじめをうかがわせるような内容はなかったという。校長は「軽いけんかはあったようだが、仲直りをしており、命を絶つほど深刻なものは把握していない。中学生活に期待する言葉も聞いていた。予期せぬことで驚きと悲しみで胸が張り裂けそう」と話した。【高井瞳、太田敦子】

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