「死にたいと思わせる行為が教育のはずない」吹奏楽部顧問の”叱責”16歳男子高校生自殺…母控訴審で訴え
令和2年6月18日付北海道文化放送
2013年3月、北海道札幌市の道立高校に通っていた当時16歳の高校1年生の男子生徒が自殺したのは、部活動の教師の不適切な指導が原因だとして母親が損害賠償を求めた裁判の控訴審で、6月17日母親が教師の適切な指導が行われるような判断を裁判所に求め結審しました。 この訴訟は2013年3月、札幌市の道立高校1年生の男子生徒が自殺し、母親が原因は所属していた吹奏楽部の顧問の教諭による一方的な叱責で、自殺後に行われた生徒へのアンケートを廃棄したのは問題だとして、北海道に約8400万円の損害賠償を求めているものです。
一審で札幌地方裁判所は、自殺と指導との因果関係は認めなかった一方、アンケートの廃棄については北海道に110万円の賠償を命じていました。 6月17日札幌高裁で行われた最終弁論で男子生徒の母親は、「これ以上息子のように悲しい気持ちでいっぱいになって、人生を終えてしまう子供を出したくない。子供に死にたいと思わせる行為が教育のはずがない。子供にとって安心・安全な人権が守られた指導とはどういうものなのか裁判所の判断を示して頂きたい」と訴えました。
裁判後の報告集会では、男子生徒の姉が「この控訴審が少しでも世の中を変えるものになればいいと思う」と高裁の妥当な判断への期待をにじませました。
判決は10月9日に言い渡される予定です。