平成28年2月23日福島民友新聞

いじめ「要因の一つ」 会津の女子高生自殺、福島県教委調査

会津地方の県立高校で昨年9月に女子生徒(当時2年)が首をつって自殺した問題で、県教委は22日、生徒が所属する部活動内でいじめがあったことを初めて認めた。県教委が設置する第三者委員会「いじめ問題対策委員会」の鈴木庸裕委員長(福島大教授)は会見で「精神的に追い詰められた要因の一つにいじめがあると思う」と指摘した上で、「自殺には複合的な要因があり、絞り込めない」とした。

対策委の調査報告書では「いじめと自殺との間に直接の因果関係を認定するまでには至らない」とした。

調査報告書によると、女子生徒は2014(平成26)年夏ごろから、同じ部活の先輩に厳しく叱責されたり、無視されるようになった。女子生徒は「先輩が怖い」「部活に行こうとすると気持ち悪くなる」と話し、同9月ごろから学校を休みがちになったという。これを受け、対策委は「いじめは存在した」と判断した。

女子生徒は担任教諭の助言を受けて昨年6月に休部したが、同8月に復帰した。女子生徒が休部してから先輩との接触はなく、対策委は、部活を休みがちになったことで練習不足になり、技能が向上しないことへの焦りや、部活以外での人間関係の悩み、欠席が増えて授業についていくのが負担になったなど他の悩みも抱えていたとした。その上で「自殺の原因として、いじめによる悩みだけでなく、さまざまな要因が考えられる」とした。

県教委は21日、女子生徒の遺族に調査結果を説明。遺族は「(報告書の内容を)検討させていただく」と話したという。

鈴木委員長と県教育庁の菅野誠教育次長、大沼博文高校教育課長が県庁で記者会見し、調査結果を説明した。

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