平成31年4月21日付朝日新聞長崎版
いじめ報告書「問題ある」 自殺問題で私立高側
長崎市の私立高校の男子生徒(当時16)が2017年4月に自殺し、学校側が設置した第三者委員会がまとめたいじめと自殺の因果関係を認める報告書について、学校側が「(内容に)問題がある」と改めて不服とする姿勢を示していたことがわかった。20日、遺族が明らかにした。
遺族によると、2月下旬に会見を開き報告書の内容の受け入れを求めて以降、学校側から遺族に対し内容についての見解が示されたのは初めて。
遺族は男子生徒の三回忌にあたる20日を前に、学校側の弁護士に、報告書に対しての考えを文書で質問。遺族によると、18日付の回答文書は、「遺書などについて十分な考察がなされていない」「論理的な飛躍がある」などと指摘。学校側は有識者に意見を聞くなどした結果、「報告書には問題がある」と判断したという。
男子生徒の自殺を巡っては、第三者委が18年11月に報告書を作成。学校側が「事実関係の裏付けが示されていない」などと、内容を不服として受け入れない考えを示していたという。学校側は朝日新聞の取材に「コメントは差し控える」としている。
男子生徒が亡くなって2年になるこの日、遺族は現場となった長崎市内の公園を訪れ献花した。母の日によく贈ってくれたというカーネーションの花を選んだ母親は「命日の直前にこのような結果を示され残念。息子にどう報告したらいいのかわからない」と報道陣の取材に話した。(横山輝)