平成29年8月29日中国新聞
いじめ影響の可能性
広島の中3死亡第三者委調査へ
広島市佐伯区の五日市観音中3年の女子生徒が7月に同校で死亡し、後にいじめを受けていたことが判明した問題で、市教委は28日、いじめを苦に命を絶った可能性があるとして、第三者でつくる「市いじめ防止対策推進審議会」に調査を諮問する考えを示した。
中区役所で開いた教育委員会議で、市教委の担当者が、悪口や嫌がらせなど女子生徒に対する少なくとも7件のいじめを認知した経緯や学校側の対応を説明。
「いじめを苦に命を絶った」とする遺族の訴えも踏まえ、いじめ防止対策推進法が定める「重大事態」に当たるとして、審議会で調査を進めるとした。
審議会は同法に基づき市教委が2014年7月に設置し、学識経験者や専門家たち5人で構成。来月初旬に諮問する予定で、調査内容の詳細は遺族の意向を確認しながら決めるという。これまで教員から聞き取りをするなど調査を進めていた学校側とも情報を共有する。
生徒の両親は、「第三者による調査組織の調査が適切に行われ、このような事件が起きた背景が少しでも解明されることを期待するばかりです」とのコメントを代理人の弁護士を通じて出した。
この日、同校では3年生の授業が再開し、学年集会があった。大下茂校長によると、学年主任が女子生徒の死を悼み、「相手の立場を考えて行動できるように」などと呼び掛けた後、全員で黙とうをしたという。
(野田華奈子、有岡英俊、新山京子)