2020年10月20日付NHK奈良放送局

“いじめ”自殺 来年3月判決へ

7年前、橿原市で中学1年の女子生徒が自殺したのはいじめが原因だったとして、遺族が市や当時の同級生などに賠償を求めている裁判の審理が終わり、来年3月23日に判決が言い渡されることになりました。
平成25年3月、橿原市で中学1年の女子生徒が自殺し、遺族は同級生から仲間はずれにされたりインターネットの「LINE」に悪口を書き込まれたりするなど学校でのいじめが原因だとして、当時の同級生3人と橿原市に対しあわせて9700万円余りの賠償を求めています。
20日、奈良地方裁判所で行われた裁判で、女子生徒の母親は「将来のあった子どもがなぜ自殺を選んだのか、本当のことを知りたい。この裁判で、教育現場に一石を投じる判断をしてほしい」と訴えました。
一方、これまでの裁判で、市と同級生側の弁護士は「自殺にいたるようないじめはなかった」と主張しています。
審理は20日で終わり、来年3月23日に判決が言い渡されます。
裁判のあと会見を開いた女子生徒の母親は「加害生徒には自身の行為を振り返って反省したうえで、残りの人生を歩んでほしい」と話しました。
また、市や学校などに対し「安心して子どもを学校に預けていたが、そうではなかった。救えるはずの命を救えなかったということを重く受け止めて反省してほしい」と話していました。

【アンケート結果開示されず】
この裁判では、遺族側が橿原市教育委員会に対し、教員を対象に行ったアンケート結果の開示を求めていますが、開示されていません。
遺族側が不服を申し立てていますが、市の審査会は4年以上審議を続けており、現在も結論に至っていません。
これについて、原告側の佐藤真理弁護士は「名前を隠せば公開できるはずだ。それに応じないのはおかしい。重要な資料が眠っている」と対応を批判しました。
一方、橿原市は「審査する複数の外部の委員の日程を調整すると、1か月か2か月に1回ほどしか審査会を開けないうえ、膨大な資料を一つ一つ精査しているため、時間がかかってしまう。

なるべく早く結論を出したい」と話しています。

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