平成29年12月1日朝日新聞
中1自殺、いじめアンケを破棄 中学「問題ないと判断」
青森県東北町で昨年8月、町立中学1年の男子生徒(当時12)がいじめを訴える遺書を残して自殺した問題で、通っていた中学校が全校生徒を対象に、自殺の3カ月前に実施したいじめに関するアンケートの結果を破棄していたことが分かった。破棄した時期は不明という。
文部科学省が2013年に定めた「いじめ防止基本方針」は、いじめ問題の指導記録の保存を学校に求めている。
自殺について調べている同町の調査委員会は11月30日、学校側の対応に不備があったとする調査結果を、自殺した生徒の母親らに説明した。母親は「学校の不備がきちんと認められて納得した」と話した。
調査委などによると、破棄されたのは、昨年5月に行われたアンケート。母親によると、生徒は「からかいを受けている」
などと回答し、6月には担任教諭との面談で、特定の同級生にいすを蹴られることを「嫌がらせ」と訴えていた。生徒は昨年8月、「いじめがなければもっと生きていたのにね」と書いたメモを残して自殺した。
今年9月、調査委が中学校にアンケートの提出を求めたところ、中学校は「時期はわからないが、破棄した」と回答。
「アンケートでいじめを訴えた生徒がいなかったため、問題がないと判断した」と説明しているという。
文科省は指導記録の保存期間は明示しておらず、町教委もアンケートの管理は学校に任せていた。文科省は今年3月の「いじめ重大事態の調査に関するガイドライン」では、新たに「少なくとも5年間保存することが望ましい」としている。
(山本知佳)