平成28年2月27日
体罰教員名、神戸市に再び公開要請 審査会答申
神戸市情報公開審査会(会長=米沢広一・大阪市立大大学院教授)は26日、神戸市立学校の体罰報告書に関する情報公開請求に対し、一部を除いて教職員名を非公開とした同市教育委員会
の決定を妥当とせず、原則公開を求める答申を出した。
同審査会は2014年8月にも同様の答申を出しており、今回が2回目。市教委は前回の答申後、従来の全面非公開から方針転換したが、原則公開には応じていない。
神戸大大学院の馬場健一教授(法社会学)が前回の答申後、神戸市立の小中学校と高校、特別支援学校が09~13年度に市教委に提出した体罰報告書の公開を請求。市教委は131件について内容や学校名などを公開したが、教職員名の公開は50件にとどまった。
市教委は「被害者は同じ学校の児童・生徒や保護者らに体罰を受けたことを知られると、精神的苦痛を受ける」などと主張。担任による体罰などは、教職員名から被害児童・生徒の特定につながるとして非公開とした。
これに対し、審査会は「一般人が得られる情報では、被害者の特定は極めて困難」と判断。部活動の主将と顧問のように、体罰をした教職員と児童・生徒の関係から被害者が特定できる場合などを除き、121件を教職員名の公開対象とした。
体罰報告書をめぐっては12年、兵庫県教委に対し教職員名の公開を命じた大阪高裁判決が確定。
これを受け、県教委は原則公開を決めた。大阪府教委や同市教委なども原則公開している。
答申を受け、神戸市教委は「今後、教育委員会会議で議論したい」とした。(紺野大樹)