平成28年12月28日 NHK大分放送局
去年2月、大分大学経済学部の20代の男子学生が当時の講師からいわゆる「アカデミックハラスメント」を受け、その後、自殺した問題で、大学が設置した第3者の調査委員会は、ハラスメントが自殺の原因だとする調査結果を公表しました。
去年2月に自殺した大分大学経済学部の20代の男子学生をめぐっては父親からの申し立てを受けて行った大学の調査で、所属していたゼミの元講師の男性が、指導の範囲を超えて、人格否定とも受け取れる発言をしたり、叱責したりしていたことがわかり大学は、「アカデミックハラスメント」に当たると認定していました。
大学はその後、弁護士などによる第3者の調査委員会を作り、家族や友人などから話を聞いたり学生の無料通話アプリLINEのメッセージを分析するなどして調査を進めた結果、ハラスメントが自殺の原因だとする報告書をまとめ27日公表しました。
第3者委員会によりますと、元講師についてはおととし9月、自殺した学生を含め、複数の学生が「指導が厳しく、学生との関係がうまくいっていない」などとゼミを担当する准教授に訴えていましたが大学側は十分な対応を行わなかったということです。
第3者委員会委員長の麻生昭一弁護士は「本人から申し出があったにも関わらず、大学は学生が助かるチャンスを無駄にしてしまったという印象を受けている。ハラスメントに対して学校側が迅速に対応するシステム作りが必要だ」と話しています。
大分大学の北野正剛学長は、「学生の自殺については痛恨の極みです。今後、ご遺族に対しては大学として誠意をもって対応させていただきたいと考えております。第三者委員会からの報告を重く受け止め、関係教員に対する処分を速やかに進めるとともに二度と同様の事態を招くことのないよう再発防止に万全を期したい」というコメントを発表しました。
http://www3.nhk.or.jp/lnews/oita/5075628111.html?t=1482877458033