平成30年9月7日朝日新聞西部本社版
始業式直後の中3自殺 母親「悩んでいる様子なかった」
鹿児島市内の公立中学3年の男子生徒が自宅で自殺した問題で、母親が6日、朝日新聞などの取材に応じ、「悩んでいる様子はなかった」と話した。「学校や先生方は事実を話してほしい」と語り、第三者委員会の設置を求める考えを示した。学校側は同日、報道各社の取材に、「調査中」と繰り返した。
市教育委員会によると、男子生徒は夏休みの宿題を一部提出しなかったため、3日の始業式の直後、担任の女性教諭から10分程度の個別指導を受けた。この際、体験入学した高校の寮生活への不安を漏らしたという。
一方、母親は「進路に悩んでいる様子はなかった」と反論。生徒は漁師になる夢を持ち、数カ月前からは塾に通って成績も上がった。夏休みに鹿児島県内の高校に体験入学した後も、「めっちゃ楽しかった」と喜んでいたという。
笑顔がかわいい子だったといい、母親は「料理が得意で、釣った魚をさばいてくれた。成績も上がり頑張っていたのに」と声を震わせた。
指導についても、「宿題を忘れた複数の生徒のうち、息子だけが最後まで残され、指導は約40分に及んだと他の生徒らから聞いた」と話した。
学校側は、校長が中学校で約1時間にわたって取材に応じた。進路に対する不安の有無などの点について、母親の認識と食い違いがみられることに対して問われると、「調査中」と繰り返した。個別指導の場に居合わせた教職員らから聞き取りを進めており、今後は生徒の同級生らからも聞き取りたい、とした。(小瀬康太郎、野崎智也)