平成28年4月11日 神戸新聞
川西高2自殺 兵庫県も控訴せず
兵庫県川西市の兵庫県立高校2年の男子生徒=当時(17)=の自殺を巡る損害賠償訴訟で、元同級生3人と県に計210万円の支払いを命じた先月30日の神戸地裁判決について、県が控訴しない方針を決めたことが11日、分かった。原告である生徒の両親は既に、控訴しないことを明らかにしている。
生徒は2012年9月に自宅で自殺。判決は、生徒を「ムシ」と呼ぶなどした元同級生の行為をいじめと認定し、担任教諭らの安全配慮義務違反を指摘した。だが、自殺の予見は難しかったとして、賠償責任は生徒が受けた精神的苦痛にとどまるとした。
県は「学校での安全配慮や生徒指導の瑕疵が認められ、ご遺族への配慮に欠けていたと指摘された点は、真摯に受け止める必要がある」として控訴しないことを決定。「引き続き、いじめの防止に取り組む」としている。(上田勇紀)