【11月17日付 毎日新聞】
札幌市内の私立中学校で、1年生の男子生徒12)が複数のクラスメートから無料通信アプリ「LINE(ライン)」を使った嫌がらせなどのいじめを受け、10月末に退学していたことが16日、分かった。男子生徒は公立中学校に転校した。私立学校側は、いじめ防止対策推進法や道条例に基づく「重大事態」の疑いがあるとして道に連絡した。来週中にも報告書を提出する。
私立中によると、今年9月17日、被害生徒の母親から「子どもの様子がおかしい」と相談があり、クラスメートの男子がLINEで「こ・ろ・す・ぞ・し・ね」と送ったことを確認した。学校は9月下旬、メッセージを送った生徒を1週間、自宅謹慎させた。
母親は学校に対し、生徒が入学以来、複数の男女のクラスメートから継続的にたたかれたり、嫌がらせをされたりするなどのいじめを受けたと説明しているという。生徒は体調不良で病院で診察を受けた。母親が学校に相談した翌日の9月18日から不登校になった。
学校側は生徒が継続的にいじめを受けたとみられると認めたが「詳細は調査中」としている。校長は「教職員によるいじめ対策委員会で詳しく調査している。生徒が退学したことに至らなさを感じている」と話した。
道は同法に準じていじめ防止条例を2014年4月に施行しており、条例に基づく重大事態として報告されたのは今回で4件目。【千々部一好】
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【北海道新聞】
いじめで中1退学、札幌の私立中 学校、事実認め謝罪
札幌市内の私立中学校で1年生の男子生徒(12)が複数の同級生から、無料通信アプリLINE(ライン)で「こ・ろ・す・ぞ しね」とメッセージを送られるなどのいじめを受けた結果、10月末に退学したことが分かった。
同校はいじめ防止対策推進法に基づき、今回のいじめを報告。重大な人権侵害の疑いがあるとして、札幌法務局も調査に乗り出している。同校は16日、記者会見を開き、いじめの事実を認め、謝罪した。
同校の校長によると、男子生徒へのいじめが始まったのは6月ごろ。同じクラスの複数人からラインで脅迫のメッセージが送られたほか、たたかれたり、言葉による嫌がらせを受けたという。その後、男子生徒からいじめを打ち明けられた担任は、いじめを主導した男子生徒らを注意したが、いじめは収まらなかった。
その結果、男子生徒は9月中旬に不登校となり、男子生徒の母親が同校に相談。同校は、担任や生徒からの聞き取りでいじめを確認し、中心人物の男子生徒を1週間の自宅謹慎処分としたほか、複数の生徒を注意した。
さらに母親は10月中旬、いじめなどにより、不眠などの症状が出ているとする男子生徒の診断書を同校にメールで送付。同校は、生徒の生命や身体に重大な被害が生じるいじめがあったと判断し、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」として同月20日付で、道に報告した。札幌法務局も母親から相談を受け、調査を行っている。
男子生徒は10月末に退学し、別の学校に転校した。校長は会見で「誠意を持って対応したが、届かなかった。
学校の至らなさを感じ、申し訳なく思っている」と謝罪した。詳細については「精査中なので公表できない」と説明した。
道によると、重大事態の報告義務が道条例で定められた昨年4月以降、道内の道立、私立の小中高校と
特別支援学校から道政策局に報告があったのは4校4件という。