平成31年3月15日付朝日新聞名古屋本社版

死亡女児、周囲に「死にたい」と漏らす 担任は当日把握

愛知県豊田市の小学6年生の女児2人がマンションから飛び降りて死亡した問題で、市教育委員会は14日、そのうち1人が亡くなる当日、ほかの児童に「死ぬ」「死にたい」と漏らしていたことを明らかにした。発言を把握した担任教師が声を掛けたが、「あれは軽い気持ちだったので大丈夫」と女児が話したため、保護者には伝えなかったという。

市教委が14日夜、6年生の保護者向けに説明会を開き、その内容を明らかにした。担任が「悩みがあったら相談してね」と言うと、女児は「はい」と答えたという。

説明会では「今回の件で誰も悪者にしないでほしい。6年生は落ち着いた卒業式と明るい中学校生活を送ってほしい」とする遺族の意向も紹介された。

保護者からは「先生が子どもをよく見られる環境をつくってほしい」「二度と起きないようにちゃんと調べてほしい」などの要望があったという。

一方、関係者によると、「死にたい」と漏らしていた女児の遺書には、亡くなったもう1人の女児がいじめを受けているとして、全校児童への問題提起を校長に求める記述があったという。

学校が年10回実施していた児童向けのアンケートではいじめは確認できておらず、市教委は経緯を慎重に調べている。

女児2人は12日夜、互いの自宅から離れた15階建てマンションの敷地内で血を流して倒れていた。近隣住民が発見して119番通報した。現場にあった2人の所持品からは家族や友人、学校に宛てた複数の遺書が見つかっている。

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