2022年11月4日毎日新聞

海星高いじめ自殺 学校側は第三者委報告書を拒否 遺族が提訴

提訴後に男子生徒の遺影を置いて記者会見する両親ら=長崎市の県庁で2022年11月4日午後2時27分、中山敦貴撮影
提訴後に男子生徒の遺影を置いて記者会見する両親ら=長崎市の県庁で2022年11月4日午後2時27分、中山敦貴撮影
 長崎市の私立海星高2年の男子生徒(当時16歳)が2017年4月に自殺したのは、学校側がいじめ防止対策推進法に基づく対策を怠ったのが原因などとして、遺族が4日、高校を運営する学校法人に約3200万円の損害賠償を求め長崎地裁に提訴した。

訴状などによると、生徒が中高一貫の中学3年時から、生徒のおなかが鳴ってしまうことを同級生にからかわれるいじめが始まった。おなかの音がしないよう間食を取るため入った掃除用具置き場を無理やりこじ開けようとするなどのいじめも受けた。高校進学後も同様のいじめが続き、生徒は孤立を深めていった。

遺族側は、学校側はいじめ防止対策推進法に基づき、いじめを早期発見する体制をつくり適正に対処する義務を負っていたのに、それを怠ったと主張している。

生徒の自殺を巡っては、学校法人が設置した第三者委員会が「同級生によるいじめが主要因」とする報告書を18年にまとめたが、学校側は受け入れを拒否した。こうした対応についても遺族側は「法の趣旨や法が規定するいじめ防止制度を否定するもので許されない」と指摘した。

学校側は「訴状を受け取っておらず、コメントは差し控える」としている。【中山敦貴】

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