2022年12月2日付熊本日日新聞

自殺した熊本市立中1男子の元担任、熊本市教委が懲戒免職 複数の児童に不適切指導繰り返す

 

男性教諭の懲戒免職処分を発表した熊本市教育委員会の遠藤洋路教育長(左)と幹部ら=2日、熊本市役所

 熊本市教育委員会は2日、20194月に自殺した熊本市立中1年の男子生徒の小学6年時の担任で、複数児童に不適切な指導を繰り返していた男性教諭(60)を懲戒免職処分にした。当時の管理職や市教委幹部らの処分は調査した上で必要かどうか検討する。

市教委によると、男子生徒が通っていた小学校の児童らに対する体罰や暴言、不適切な言動など認定した計42件を踏まえ、処分を決定。指針に照らし、「不適切な指導が長期間にわたったこと、件数の多さなどさまざまな部分を考慮して免職が相当と判断した」と説明した。

市教委の11月末の聞き取りに対し、男性教諭は「事実として間違いない。指導が適切ではなかった」と反省する一方、言動によっては「よく分からない。自分がやったはずがない」と否定したという。

遠藤洋路教育長は記者会見で「多くの子ども、保護者、教職員に深い傷を負わせ、消えることのない痛みを残してしまった。被害を受けた全ての人に心よりおわびする」と陳謝した。

男子生徒の自殺を巡っては市の詳細調査委員会が10月、男性教諭の不適切な指導が抑うつ状態に強く影響し、自殺の一因になったとする報告書を公表した。

認定された体罰など42件のほかにも市教委には2日現在、男性教諭に関する情報が77件寄せられている。市教委は必要な調査を経て市体罰等審議会に諮り、再発防止策につなげるとしている。(元村彩)

 

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