平成30年10月31日付毎日新聞

自殺未遂3度の男子生徒 いじめ詳細、学校不信記す

 埼玉川口市自殺

男子生徒がいじめを訴えて学校に渡した手紙。加害生徒などの名前も書かれていた=鴇沢哲雄撮影

「ぼくは、サッカー部の友だちからいじめられている」--。いじめが原因で自殺未遂を3度繰り返した埼玉県川口市の市立中学の男子生徒(15)が、担任などにいじめを訴える手紙を提出していた。母親が毎日新聞に示した。いじめの詳細や自殺を示唆する記述があるにもかかわらず、学校は調査でいじめが確認できなかったなどと母親に

伝えたという。生徒や母親は学校などへの不信感を強めている。【鴇沢哲雄】

男子生徒は2016年4月の入学直後から同じサッカー部の同級生や先輩などからいじめを受け、同年9月と10月、17年4月の3回にわたり自殺を図った。手紙は5通で、最初の自殺未遂の直前にノートに書いていた。

1通目は9月1日付。加害生徒の名前を列記する一方、学校への不信感もつづっている。

「仲間はずれにされたり、むしされたり かげ口を聞こえるようにする。(中略)●(担任の実名)先生は小学校のときの校長先生と同じ。自分の事を守っていて ぼくの事はきくだけきいてほったらかしならきくな。やはりぼくは、生きてちゃだめなんだ」

翌2日は「ぼくはどこに行けばいいんだろう」と心の迷いをつづった。「母さんが言えないぼくのかわりに話しを先生にしたのに先生はぼくをみすてた。……母さんごめんなさい」

11日の手紙では、大きな字で「ぜったいゆるさない」と怒りの感情を記す一方、「この何日かでいなくなる方法を考える」と追い詰められた気持ちをつづっている。

「ぼくの教室がないからクラスも先生もいない。だからぼくは学校には行けない。弱くて何もいいかえせない自分がいけないし……母さんかなしくてつらい思いをさせてごめんなさい。ぼくは弱くてごめん」

翌12日の手紙は「今日は学校に行った」と書き出している。「学校に行ったけど、ぼくのクラスもない先生もいない学校に場所はない。こんなに学校に行きたいのに……」

5通目の15日の手紙は「ぼくの中のきずは、きえていない」で終えていた。「母さんが何ども先生にそうだんしてくれたけど先生たちは、しんけんに話しをきいてくれなかった。

ぼくは、●(学校名)中にいてはいけない この世にもいてはいけない。::本当は●(学校名)中にいって卒業したかった。ざんねん」

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