平成29年5月9日河北新報

<仙台中2自殺>市教委、市長へ遺族所見書

仙台中23 

奥山市長(右)に所見書を手渡す大越教育長=仙台市役所

 

 仙台市泉区の南中山中2年の男子生徒=当時(14)=が昨年2月に自殺した問題で、大越裕光市教育長は8日、市教委第三者委員会のいじめ問題専門委員会が調査結果をまとめた答申と、答申に対する遺族の所見書を奥山恵美子市長に提出した。遺族が望む新たな第三者委による再調査について、奥山市長は今月中にも可否を判断する考えを明らかにした。
 大越教育長は市教委がまとめた再発防止策も提出。特別な支援が必要な生徒を学校全体で把握することやスクールカウンセラーの活用、自殺予防教育の強化などの方針を奥山市長に説明した。
 報道陣に対し、奥山市長は「(再調査に関する)国の指針も参酌しながら可否を判断したい」と述べ、今後半月程度を目安として判断する意向を示した。
 答申は「いじめによる精神的苦痛が自殺の一因」としたが、いじめの具体的な態様や加害生徒は特定しなかった。

遺族は所見書で第三者委の刷新のほか、市長主宰の市総合教育会議で学校や関係教員の対応を検証するよう要望した。
 いじめ防止推進対策法は学校や教委がいじめの重大事案を調査後、首長の判断で再調査できると規定。

文部科学省が3月に策定した指針では、十分な調査が尽くされなかったり、調査委の人選の公平性や中立性に疑義があったりする場合、再調査を検討するよう求めている。

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