平成29年1月5日河北新報
<仙台中2自殺>市長「極めて遺憾」と回答書
仙台市の奥山恵美子市長が4日までに、2014年9月にいじめを苦に自殺した泉区館中1年の男子生徒=当時(12)=の父親(49)が出した質問状に、中学生の自殺が相次いだことについて「極めて遺憾」と文書で回答した。
質問状は館中生徒の父親が昨年12月、泉区の市立中2年の男子生徒=当時(14)=が昨年2月にいじめを苦に自殺したとみられる問題の対応を受け、市長と教育長に宛てて出した。
市教委は、館中生徒の自殺から約1年たった15年8月、事実関係を公表。市教委がいじめ対策の徹底を誓った数カ月後に市立中2年の生徒が自殺した点を問われ、奥山市長は「再発防止に真摯に取り組まなくてはならない」と強調した。
回答書によると、館中生徒の自殺を受け、全中学校に専任教員を1人ずつ追加で配置するなど、これまで公表、実施してきた対策の列挙にとどまった。面会の要請については「訴訟中であり、差し控える」と拒んだ。
館中生徒の父親は取材に「一刻の猶予もない状況なのに危機感が足りない。責任感のない回答にがっかりした」と語った。
市立中2年の生徒の自殺を巡っては、市教委の第三者委員会が精神的な苦痛を受けた一因にいじめを位置付け、自殺との関連を認める答申を年度内にまとめる方針。
遺族側はいじめの加害者を特定しない調査の在り方に不満を示し、追加の調査をしない場合、第三者委の解散と新たな組織による再調査を求めている。