平成29年4月28日河北新報
<仙台中2自殺>遺族が再調査求める所見書
仙台市泉区の南中山中2年の男子生徒=当時(14)=が昨年2月に自殺した問題で、父親が27日、市教委第三者委員会のいじめ問題専門委員会が今年3月に出した答申に対する所見書を市教委に提出した。父親は「答申を全く受け入れられない」として、再調査と第三者委の刷新を求めた。
所見書は奥山恵美子市長宛てで、答申がいじめについて「いつ、どこで、誰が、何をした」かを示さず、「なぜ自ら命を絶たなければならなかったのか」との疑問への答えがないと指摘。奥山市長が主宰する市総合教育会議で、学校や関係教員の対応を検証するよう要請した。
遺族が昨年12月に求めた新たな第三者委による再調査が受け入れられなかったことにも不満を示し、「市寄りで公平・中立性のない専門委の調査や答申に納得できない」と強調。第三者委に遺族推薦の弁護士や有識者を入れるよう求めた。
父親は提出後、報道陣の取材に対し「遺族をばかにした答申で怒りしかない。専門委の議事録を遺族にすら公開しない」と憤った。市教委の杉山勝真(かつなお)学校教育部長は「所見書は専門委の答申と再発防止策と共に、5月の早い時期に市長に報告する」と述べた。
専門委は3月下旬、「いじめによる精神的苦痛が自殺の一因」とする答申書を市教委に提出。奥山市長は今月3日の記者会見で、再調査の可否は「答申に関する市教委の報告と遺族の所見を踏まえて判断する」との考えを示した。