【10月7日付 河北新報】
天童市教委(山形県)は6日、天童一中1年の女子生徒=当時(12)=が昨年1月に自殺した問題に関する第三者調査委員会の報告書について、第三者委の要請を受けて個人情報に加え、いじめの具体的な行為を記載した部分を黒塗りにした状態で、7日に公開する方針を明らかにした。
天童市内の16の小中学校にも配布する。
第三者委の野村武司委員長は5日の記者会見で(加害生徒の中には)今でもあまり重大ないじめを行っていたわけではないという認識の生徒もいるかもしれない」と指摘。具体的な事実は先生から直接話をすべきで「報道を通じて内容が伝わることは、ふさわしいとは思わない」と述べ、生徒への指導を優先させる重要性を強調した。
野村委員長は加害生徒が本年度で卒業することを踏まえ、在学中の指導に役立てるため、報告書の提出時期を決めたことも明らかにしていた。
市教委は提案に沿って、報告書134ページのうち黒塗りする部分を決めた。市学校教育課の長岡佳孝課長は「いじめがあった流れは理解できるようにする。具体的な行為を示すことが再発防止につながるとの観点から、時期をみて黒塗りを外す部分も考える」と述べた。
指導のタイミングについて、市教委は5日の記者会見で「遅くとも11月末までにはいじめに関係した生徒、保護者への指導を終えたい」と説明していた。
<天童いじめ自殺>情報共有の徹底指示
情報共有の徹底などを指示した水戸部天童市教育長
天童一中(山形県天童市)1年の女子生徒の自殺はいじめが主要な原因と認定した第三者調査委員会の報告書提出を受け、天童市教委は6日、臨時の小中学校校長会議を開き、いじめの未然防止や教員同士での情報共有の徹底を指示した。
水戸部知之教育長は16校の校長に対し「各校で認知したいじめ行為をする児童生徒に対しては、継続して十分な注意を払い指導をしてほしい。未然防止、早期発見に向けて組織体制の充実を図る必要がある」と強調した。
市教委が報告書に基づいて、いじめの事実関係や自殺との因果関係を説明した。冒頭、出席者は亡くなった女子生徒に黙とうした。