平成28年2月19日河北新報
<仙台いじめ自殺>調停 加害生徒側が欠席
仙台簡裁であった第1回調停に向かう男子生徒の父親(右)=18日午後1時5分ごろ、仙台市青葉区
仙台市泉区の館中1年の男子生徒=当時(12)=が2014年9月、いじめを苦に自殺し、遺族が市と加害生徒7人に責任の所在確認などを求めた調停の第1回調停が18日、仙台簡裁であり、市と加害生徒2人が代理人や文書を通して事実関係の一部を否定した。加害生徒6人の関係者は出席せず、実質的な協議は次回に持ち越された。 調停は非公開で約1時間半にわたって行われ、遺族側は申し立てに至った経緯や現時点の考えを伝えた。加害生徒5人の関係者は意見をまとめた書面も提出せず、遺族側との話し合いに進展はなかった。 自殺した男子生徒の父親は調停後、「今まで謝罪の一言もなく、用意した話し合いの土俵にすら上がってもらえなかった。まだ息子を間接的にいじめるのかと、悔しくて仕方がない」と述べた。 申し立てによると、男子生徒は14年4月に館中に入学。同学年の男子生徒から仲間外れや悪口、からかいなどのいじめを繰り返し受け、同年9月に自殺した。 遺族側は、いじめは入学直後に始まり、部活を休んだことを「仮病」「サボり」と言われたり、級友らとプールに行った際に男子生徒だけ置き去りにされたりしたと主張。学校の責任については、保護者から計6回にわたり相談を受けていたにもかかわらず自殺を防げなかった、としている。 市教委の第三者委員会はいじめに関わった生徒らに聞き取りをした結果、同学年の男子生徒11人がいじめに関与したと認定。遺族側はいじめへの関与度が高かったとされる7人を相手に調停を申し立てた。
<仙台いじめ自殺>父「本当に悔しい」
館中1年の男子生徒がいじめを苦に自殺した問題で、第1回調停に出席した生徒の父親が18日、取材に応じた。訴えた7人の加害生徒側の大半が欠席したことに「悔しくて仕方がない」と涙ながらに訴えた。一問一答は次の通り。 -なぜ調停に踏み切ったのか。 「昨年9月、中学校の校長から『(加害生徒が)謝るなら、受け入れるのか』と電話があり、謝罪を受け入れることを伝えた。その後も謝罪に関しアクションがなく、12月に決断した」 -調停で訴えたことは。 「いじめで大切な息子を突然失った。学校にもきちんと対処してもらえなかった。いじめをしたことは事実だと認めてほしい」 -第1回の調停を終えて。 「話し合うのは当たり前。用意した土俵にすら上がってもらえず、悔しくて仕方がない。本当に悔しい」 -次回の調停が4月にある。 「私が望んでいるのは、一緒の目線で話し合うこと。土俵にすら上がらないのはどういうことか」 ◇ ◇ ◇ 仙台市泉区の館中1年の男子生徒=当時(12)=が2014年9月、いじめを苦に自殺し、遺族が市と加害生徒7人に責任の所在確認などを求めた調停の第1回調停が18日、仙台簡裁であり、市と加害
生徒2人が代理人や文書を通して事実関係の一部を否定した。加害生徒6人の関係者は出席せず、実質的な協議は次回に持ち越された。