2021年3月19日琉球新報
高2自殺は「部活動のストレス」と報告書 顧問はLINE履歴削除
イメージ写真(琉球新報社)
沖縄県立コザ高校2年の男子生徒が自ら命を絶った事案について、金城弘昌県教育長や東盛敬コザ高校長らは19日会見し、第三者調査チーム報告書を公表した。報告書は、顧問が日常的に精神的負担を与える言葉を用いていた可能性を挙げ、自死の要因について「部活動におけるストレスだったものと推測するのが相当である」と指摘した。
金城教育長は「防ぐとこができなかったことについて慚愧の念に絶えない。設置者として重い責任を感じている。心よりお詫び申し上げる」と謝罪した。金城教育長は「報告書からは顧問から勝利至上主義に基づき、過度のプレッシャーを与えられ、精神的に負担があった」と述べ、勝利至上主義の弊害についても言及した。
報告書は「再発防止のためには当該顧問一人の問題ととらえるのは不適切であり、学校および設置者のレベルでの対応を含めた検討が必要」と指摘した。
報告書によると、生徒は顧問から「キャプテンを辞めろ」など、精神的に負担を与える言葉が用いられた可能性がある。顧問が部活動の「やりがい」や楽しさよりも、勝つことを重視していた可能性も指摘した。顧問は生徒とのやりとりで無料通信アプリ「ライン」を使用し、やりとりは夜中まで続いていた。迅速に対応することも求められ、生徒は多大な精神的疲労を抱えていたと考えられる。顧問のライン履歴から生徒とのやりとりが削除されていることも分かった。
生徒が特別推薦で入学した際、「活動継続確約書」の提出を求められていたことも分かった。