仙台中2自殺、いじめ要因 第三者委が調査結果を答申
2019年8月9日付日本経済新聞
仙台市で2017年、市立折立中2年の男子生徒(当時13)が自殺した問題で、市教育委員会の第三者委員会は9日、同級生からのいじめを中心に、学校側の対応の不十分さなど複数の要因が自殺につながったとの調査結果を佐々木洋教育長に答申した。
佐々木氏は「命を守りきれなかったことをおわびしたい。真摯に受け止め、いじめ防止に全力で取り組む」と述べた。
報告書は「くさい」「頭悪い」といった暴言を受けたり、机に「死ね」と落書きされたりしたなど8件をいじめと認定。授業中に大声を出した男子生徒の口に粘着テープを貼るなど、教員による体罰2件も認め「いじめを許容する雰囲気を助長した」とした。
繰り返し被害を訴えても学校側の効果的な指導や介入がなく、男子生徒が無力感を強めたと分析。自殺は「いじめを中心として、学校の指導や保護者との連携不足など複数の要因が相互に関連した」と結論付けた。再発防止へ、学校内での情報共有態勢の強化やスクールカウンセラーの積極的な活用を提案した。
遺族は「納得できる内容で、亡き息子に良い報告ができる。大切な命を奪ういじめは、もう絶対にあってはいけない」とのコメントを出した。
男子生徒は17年4月、自宅近くのマンションから飛び降り死亡した。〔共同〕