平成28年4月10日 神戸新聞

川西高2いじめ自殺訴訟 遺族は控訴しない方針

  兵庫県川西市の県立高校2年の男子生徒=当時(17)=の自殺を巡る損害賠償訴訟で、元同級生3人と県に計210万円の支払いを命じた3月30日の神戸地裁判決について、原告の両親が9日、控訴しないことを明らかにした。控訴期限は13日。

 生徒は2012年9月に自宅で自殺。判決では、元同級生3人によるいじめがあったと認定、担任教諭らの安全配慮義務違反を指摘した。しかし、自殺の予見は難しかったとして、賠償責任の範囲は生徒が受けた精神的苦痛にとどまるとした。

 両親はコメントを発表。訴訟では教員らの個人の賠償責任も求めが、父親(64)は「退けられ、覆すのはほぼ不可能」とした。母親(57)は、元同級生3人が「ムシ」などと呼んだいじめと自殺の関連を認めた判決を踏まえ「言葉の暴力もいじめだということを認識してください」と呼び掛けた。

 県側の控訴の有無については、井戸敏三県知事が4日の会見で「まずは教育委員会が判断する」としている。

 

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