平成30年2月5日広島NHK放送局

“亡くなる直前までいじめ”

広島市の中学3年の女子生徒が去年7月、校舎から飛び降りて自殺したとみられる問題で、第三者による審議会は、女子生徒が亡くなる直前まで「死ね」「消えろ」などと言われるいじめを受けていたとする調査結果をまとめました。審議会は学校の対応に問題がなかったかなど引き続き調査することにしています。 去年7月、広島市の中学校に通っていた3年生の女子生徒が学校の敷地内で倒れているのが見つかり死亡しました。 市の教育委員会が設けた第三者による審議会は、いじめを理由に校舎から飛び降りて自殺した可能性があるとみて調査を進めています。 審議会ではこれまでに学校の生徒や教諭への聞き取りなどを行ってきましたが、女子生徒が小学校の頃から亡くなる直前まで継続的にいじめを受けていたとする調査結果をまとめ公表しました。 それによりますと女子生徒は小学校の低学年の頃からいじめを受け、数人の同級生から悪口を言われたり、たたかれたりすることがあったとしています。そして、中学校に入ったあと、この数人の同級生のほかにも複数の生徒が加わり、あわせて十数人からいじめを受けていたということです。 容姿をからかわれたり、消しゴムを投げられたりしたほか、掃除の際に女子生徒の机を触ろうとせず、仲間外れにされるいじめもあったとしています。 審議会によりますと、こうした行為は徐々にエスカレートして女子生徒が亡くなる直前まで続き、3年生の時には「死ね」「消えろ」などといった暴言をひんぱんに言われていたほか、傘で叩かれたり、石を投げられたりすることもあったということです。 審議会は、今回の調査結果をもとに学校の対応に問題がなかったかや女子生徒が亡くなったこととの因果関係などについて引き続き調査することにしています。 今回の調査結果について亡くなった女子生徒の遺族は弁護士を通じてコメントを出しました。 このなかで遺族は「娘が学校でいじめを受けていたことを思うと大変つらい気持ちになりますし、何度も学校に伝えていたのにどうして止められなかったのだろうかという思いもあります。学校に対しては、今回のいじめの事実を正面から受け止めていただきたいと願うばかりです」と心境をつづっています。 そのうえで「学校の問題点につきましては現在、審議会で調査中と伺っておりますので、その調査を待ちたいと思います。真実が明らかになり、二度とこのようなことの起きないことを願います」と真相解明に向けた調査の徹底を求めています。 一方、亡くなった女子生徒が通っていた中学校の校長は5日、会見し、このなかで「いじめを早期に把握し、適切に対応できなかったことに校長として強く責任を感じています。亡くなった生徒にとって学校が安心・安全な居場所となりえず、日々いじめに苦しみ、悲しみ、傷ついていたと思うと悔やんでも悔やみきれません。深くおわび申し上げます」と述べ、謝罪しました。 そのうえで、これまで学校に女子生徒本人や両親から相談があったものの、生徒への嫌がらせは継続的なものとは考えていなかったため、いじめにはあたらないと認識していたことを明らかにしました。 そして、校長は学校の対応に問題があったことを認め「その場その場でトラブルが解決することに重きを置いた表面的な対応に終始していました。

経過を観察するなど、丁寧な対応をしていなかったために、いじめと認めることができませんでした」と述べました。 第三者による審議会では、来月中にも学校の対応の具体的な問題点について報告をまとめることにしています。 また、広島市の糸山隆教育長は「このような事態が生じたことを重く受け止めるとともに、こうしたいじめを防ぐことができなかったことを申し訳なく思います」と謝罪したうえで「このたび公表された内容、今後出される調査結果や答申などを踏まえながら、二度とこのような悲しい出来事が起こらないよう対策を強化していきたいと考えています」というコメントを出しました。

https://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20180205/4712691.html

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