平成30年5月15日付朝日新聞
高2自殺「ネットいじめ」 元交際相手らの暴露が契機 埼玉県教委
埼玉県立高校2年の女子生徒(当時16)が昨年4月に自殺し、県教委の調査審議会は14日、元交際相手やその妹によるツイッター上の「ネットいじめ」が
自殺のきっかけだったとする報告書をまとめ、公表した。
女子生徒は自宅で首をつって自殺。遺族の求めで、弁護士らで作る審議会が昨年6月から調査していた。
報告書がいじめと認定したのは、女子生徒の2年先輩で当時交際していた男子生徒と、その妹が書き込んだツイッターの内容。
元交際相手は昨年3月、女子生徒とのけんかを機に妹に頼み、自分が浮気しているとのうその内容を妹のツイッターに書き込ませた。また妹は、女子生徒が限られた人にだけ公開していたツイッターの内容を暴露したり、非難したりする書き込みもしていたという。
報告書は「女子生徒は精神的ショックを受け、食事もとれなくなった」と指摘。「自殺の直接的な原因とまではいえないが、書き込みをきっかけに自殺を考える精神状態に至った」と認定した。
高校に対しては、昨年3月末に女子生徒から相談を受けた際、生徒が転校も考えていると把握したことから「いじめの重大事態に該当する可能性を考慮して対応する必要があった」とした。
女子生徒の両親は元交際相手らや県を相手取って損害賠償を求める訴訟を起こしている。父親(47)は取材に「いじめを認めたことは評価するが、それが自殺の原因と踏み込んでほしかった」と話した。 (笠原真)