平成30年4月17日付神戸新聞

いじめの核心黒塗り 中3自殺で報告書開示 神戸市教委

神戸市垂水区の市立中学3年の女子生徒=当時(14)=が2016年10月に自殺した問題で、市教育委員会は16日、市教委が設置した第三者委員会が昨年8月にまとめた調査報告書を市会文教こども委員会の議員に開示した。今後、公文書の公開請求を受ければ、同様に開示するという。市教委によると、関係者のプライバシーなどを考慮し、自殺の経緯やいじめの内容など、核心部分は黒塗りになっている。

遺族側は当初「報告書はいじめの背景や自殺との関連について記述が少ない」と反発し、開示を拒否していた。しかし、第三者委が昨年12月、追加調査を拒否したことを契機に「報告書の不十分さを広く伝えたい」と考えるようになり、先月、市教委に開示の意向を伝えたという。

市教委によると、報告書は165ページあるが、市の情報公開条例により個人の特定につながる情報は全て黒塗り。全5章のうち、自殺の経緯や要因、いじめの内容などを記した第3章(64ページ分)も同様に黒塗りになっているという。

遺族は今月3日、久元喜造市長に新たな調査委員会による再調査を申し入れた。女子生徒の母親は「開示を決めたのは、調査の不十分さを理解してほしいという思いからだったのに、核心部分が黒塗りでは意味がない」としている。(井上 駿)

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