【11月7日付 中日新聞】
名古屋市西区の市立中学校1年の男子生徒(12)がいじめを訴える遺書を残して自殺した問題で、生徒が通っていた中学校で6日夜、臨時保護者会が開かれた。校長は「尊い命を失ってしまい申し訳ない」と謝罪したが、過去に子どもがいじめに遭ったという保護者からは「改善を誓ったのではないか」と批判も出た。
保護者会は生徒が亡くなってから初めて開催。学校側によると、約550人が出席し、黙とうの後、事実経過を説明。全生徒へのアンケートで、20人がいじめやからかいの現場を「直接見た」と回答した結果などを報告した。
出席した保護者によると「いじめに気付かなかったのか。教諭への聞き取りは」との質問に、校長が(部活の)顧問は、部内で厳しい言葉があったことは把握していたが、それほど重いものではないと思っていた」と答えた。
ほかの保護者からは「子どもが『死ね』『消えろ』『うざい』などの言葉を使うが、学校の指導が甘い」
との声や、「(子どもが)嫌な言葉をかけられたことがある」との訴えも出た。
市教委は同日、同級生ら約30人から聞き取りを続けた。学校は生徒の心のケアに、スクールカウンセラー2人を配置し相談にあたるほか、生徒が保護者とともに心の健康を調べるチェックリストを配布した。
一方、同日夜に訪問先のオーストラリアから帰国した河村たかし市長は「大変申し訳ない。先生は強い使命感と責任感を持ってないと。生徒のご家族に謝りたい」と語った。
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【朝日新聞】
保護者から意見「真剣に向き合って」 名古屋・中1自殺
臨時保護者会に集まる親たち=6日午後7時50分、名古屋市西区、小川智撮影
名古屋市西区の市立中学校1年の男子生徒(12)が自殺した問題で、同校は6日夜、臨時の保護者会を開いた。黙禱した後、自殺の経緯や、のべ80人が「いじめを見聞きした」と答えた全校生徒アンケートの結果を説明した。保護者からは「真剣に子どもと向き合って」などの声があがった。
約550人が参加し、1時間余り続いた。校長や出席者によると、「うちの子も『死ね』『消えろ』『うざい』と言われたが、教師の指導は『まぁまぁ』で終わった。きちんと対応してほしい」と訴える保護者もいた。
「学校はいじめをしっかり把握すべきだ」と声を荒らげる場面もあったという。「いじめはなくせる」「なくならない」と保護者同士が意見を交わす場面もあったという。
終了後、女子生徒の母親(52)は「時間が短かった。もっと詳しく何があったか知りたかった」。
男子生徒の母親は「今回見つからなかったいじめを、どう見つけていくかが課題だと思う」と話した。
4日のアンケートによると、全校生徒約500人のうち20人が「現場を見た」と答えるなど、のべ80人がいじめを見聞きしていた。一方、市教育委員会の聞き取りで、いじめを認識していた教職員はいなかった。
市教委は「いじめがあったことを前提にする」としており、教職員への再度の調査も検討する。
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【NHK】
中学生自殺 保護者説明会で厳しい意見
名古屋市の男子中学生がいじめを受けたとして自殺したことを受けて、6日夜、中学校で保護者に対する初めての説明会が開かれ、保護者からは「甘い対応が見受けられる」などの厳しい意見が相次ぎました。
今月1日、名古屋市の地下鉄の駅で12歳の中学1年の男子生徒がいじめを受けたとする遺書を残し自殺したことを受けて、6日夜、生徒が通っていた中学校で保護者に対する初めての説明会が開かれました。
500人余りが出席した説明会は非公開で1時間ほど行われ、中学校によりますと、冒頭、校長が「尊い命が失われてしまい大変申し訳ない」と陳謝し、学校側と教育委員会がこれまでの経緯などを報告しました。
これに対し、保護者からは、「子どもだからと片づけるのではなく、1人の人間として真剣に向き合って
もらいたい」という指摘や、「教員が日頃から厳しく指導せず、甘い対応が見受けられる」などの厳しい意見が相次いだということです。
説明会のあと、校長は記者会見し、「生徒の命を守れなかったことを重く受け止め、強い決意で原因の究明や生徒の心のケアに取り組みたい」と述べました。
保護者に対する説明会のあと、自殺した男子生徒の同級生の父親は「学校側の説明は淡々としていて、子どもたちのことを本気で考えてくれているのかなと感じ、納得できなかった。学校には今後、ささいな悪口なども見逃さないように努めてもらいたい」と話していました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151107/k10010297301000.html