平成29年5月30日朝日新聞

「配慮が欠如」中3自殺の両親、調査委解散求め

茨木いじめ
調査委員会の解散を求めたことを説明する両親(右から2、3人目)=東京都千代田区

2015年11月に茨城県取手市の市立中学3年だった中島菜保子(なおこ)さん(当時15)が自殺したことをめぐり、「いじめ被害のためだった」と訴えている両親は29日に会見し、取手市教委の調査委員会が調査を中止し、解散するように同市教委に求めたことを明らかにした。両親は「調査委は中立性と公平性、遺族への配慮が欠けている」と主張している。
両親は、生徒の日記に人間関係の悩みや「いじめられたくない」との言葉が記されていたことなどから、いじめを訴えている。臨床心理士や精神科医らでつくる調査委は昨年7月から調査を始めた。しかし、両親によると今年3月になって、市教委が調査委の設置を決めた際に「いじめによる重大事態に該当しない」と議決をしていたことが分かったという。
調査委も、両親が集めた同級生らの証言などの資料を十分に確認していないという。文部科学省にも報告した父親(45)は「調査委にも訴えを受け止めてもらえず、さらに苦しんでいる。怒りでいっぱいだ」と語った。
取手市教委の担当者はいじめと自殺の関係性が不明なため、「該当しない」と議決したと説明。「申し入れを受け止め、解散するかはこれから検討する」と話した。(根岸拓朗)

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