平成28年9月3日 中国新聞社
中2自殺 市教委を提訴
東広島 母親「アンケート開示を」
2012年10月に自殺した東広島市の市立中2年男子生徒=当時(14)=の母親が、市教委が設置した調査委員会のアンケートを開示しないのは違法として、市教委に不開示決定の取り消しなどを求める訴えを広島地裁に起こした。14日に第1回口頭弁論がある。
訴状などによると、母親は13年12月から14年4月までに3度、生徒や教職員を対象に実施されたアンケートの原本▽集計結果▽聴取
記録-のそれぞれの開示を市教委に請求。市教委は同年12月、「特定の個人が識別され不利益が生じかねない」などとして不開示を決めた。
生徒は、教員たちから厳しい叱責などを受けて、下校後に学校近くの公園で自殺した。調査委は13年、自殺の原因について「一部だ
けが決定的要因になったと特定することは困難」などとする報告書をまとめた。
母親は「事件から4年がたつ今も息子が亡くなった経緯が分からず苦しんでいる。少しでも事実が知りたい」と話している。両親は、教員たちに安全配慮義務違反があったとして市に損害賠償を求める別の訴訟も起こしている。
中国新聞社 (森岡恭子)