平成29年4月24日朝日新聞青森版

「一部委員、独自の自殺論」 青森いじめ、遺族が要望書

 

 青森市立中学2年の葛西りまさん(当時13)が昨年8月に自殺した問題で、市教育委員会への答申を前に、遺族側が再調査や一部委員の解任などを求める要望書を出した。代理人弁護士を通じ、市教委と市いじめ防止対策審議会に対し、ファクスで提出した。

 要望書の提出は23日。要望書では、一部の委員が一般的に子どもの自殺の原因はいじめではなく「うつ」にあるという「独自の自殺論を持っている」と指摘。この自殺論に基づいて、りまさんの自殺の一因を「思春期うつ」と判断していると訴えている。また、判断の根拠の説明を求めても納得のいくものではなかったことから、担当したと思われる委員2人の解任と、関わった部分の変更や削除を求めた。

 さらに、報告書では学校のいじめに対する意識の低さや対応の不適切さと、自殺の因果関係の解明が不足していると主張。いじめに詳しい専門家を審議会の委員に選任し、再調査するよう要望した。

 審議会は11日、市教委への答申を前に遺族に報告書の内容を説明していた。この問題では20日、小野寺晃彦市長が、遺族からの要望書の提出を待たずに、市教委に委員の交代や再調査を要請する方針を示していた。 (山本知佳)

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