「息子の死納得できず」
「間違えたで許されぬ」

府中町中3自殺両親が手記

広島県府中町立府中緑ヶ丘中3年の男子生徒=当時(15)=が昨年12月、誤った万引記録に基づく進路指導の後に自殺した問題で、生徒の両親が11日、中国新聞
に心境をつづった手記を寄せた。「なぜ一生懸命頑張ってきた息子がこんなことになるのか。未だに納得できません」と学校への不信感を吐露している。
(31面に手記全文)
両親は手記で、息子が万引したと誤認されたことについて「五回を間違えたなどで許されるものではありません」とし、学校のずさんな情報管理について「信
じがたい」とした。

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両親の代理人弁護士によると、学校は2月末、調査報告書を完成させ、両親に届けた。その前に複数回、未完成の報告書を両親の前で読み上げるなどしていたという。
両親は手記で、調査報告書について「持ってきてはその場で目を通し意見を求められ、時間をかけて読みたい要望は聞き入れて貰えず≒何度も催促しても今一
生懸命作っていますと答えるばかりで、息子の件に関して、どのくらいの重要性を感じているのか疑いたくなりました」と記している。
「誠実な報道に期待して、地元の方々にも、どうしたら大切な子供を守れるか。
学校という組織の実態が伝わることによって、改善され、生徒が内申点にとらわれ過ぎない、弱い立場の者が守られる社会になってほしい」との願いをつづって
いる。両親は、代理人弁護士を通じ、中国新聞の依頼に応じた。
町教委などによると、生徒は昨年12月8日に進路を話し合う保護者、担任教諭との三者懇談に出席せず、同日夕、自宅で自殺していたのを家族が見つけた。担
任教諭は、11月中旬から懇談当日の朝までに、教室前の廊下で本人と5回にわたって進路について「面談」し、1年時の万引記録を理由に志望校に推薦できない旨を
告げていた。
しかし、生徒の自殺後、当時万引したのは別人と判明。学校側の情報管理のずさんさが浮き彫りとなった。原因究明のための第三者委員会が近く設置される
予定。(府中町進路指導問題取材班)

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町議会で陳謝教育長

広島県府中町教委の高杉良知教育長は11日、町議会本会議開始前の議場で、府中緑ケ丘中3年の男子生徒の自殺について「生徒とご遺族に哀悼の意を表し、生徒や保護者、全ての関係者におわび申し上げます」と重ねて陳謝した。
高杉教育長は、調査のため外部の専門家で構成する第三者委員会を早急に設ける意向を強調した。中井元信議長は「第三者委による調査はもちろん、保護者、職員のケアにも万全を期してほしい」と町側に求めた。
高杉教育長はこの後、生徒が親に「どうせ言っても(担任の)先生は聞いてくれない」と相談体制の不満を漏らしていたことに「教員と子ども、保護者の信頼関係で学校は成り立つ。生徒がそう感じていたことは真摯に受け止める」と述べた。

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府中町中3自殺
生徒の両親の手記全文

広島県府中町の中3男子生徒自殺問題で、両親が11日に中国新聞に寄せた手記の全文は次の通り=原文のまま。
(33面関連)

中国新聞社   様
お手紙拝見いたしました。
このような目まぐるしい環境の変化に戸惑いを感じております。
私たちにも様々な思いがありますが、直接の取材に対して私たちは慣れておりませんので、書面にてお答えさせてください。
お手紙のとおり、誠実な報道に期待して、地元の方々にも、どうしたら大切な子供を生徒の両親の手記全文守れるか。学校という組織の実態が伝わることによって、改善され、生徒が内申点にとらわれ過ぎない、弱い立場の者が守られる社会になってほしいと願っています。
私たち家族は息子が亡くなったことを受け入れなければならない現実と今も戦っています。
なぜ一生懸命頑張ってきた息子がこんなことになるのか。未だに納得できません。
何度も「学校のミスでした。」 「申し訳ありませんでした。」と軽々しく謝られても心には響いてこないのです。
人の命はそんなものではない。名前を間違えたなどで許されるものではありません。
たとえ息子が生きていたとしても許されない事です。あまりにもふざけているので、本気であのような管理体制が日常化していたことが信じがたいです。
何も解決していないのにもかかわらず、あの報告書を基に教職員でどのような学校にしたらよいかを考え、実現に向けて希望が見えてきたと校長から言われ言葉を失いました。
何の希望なのか。この時点では学校はこのことについて何かいけないのか、なぜこのようなことが起きたのか明確に示してこないまま前に進もうと言うのは順番が違います。
調査報告書が実際私たちの手元に届いたのは四十九日の法要直前でした。
持ってきてはその場で目を通し意見を求められ、時間をかけて読みたい要望は聞き入れて貰えず、お渡しするには不十分なのでと、都合の良い言葉を並べて教育委員会が持ち帰ることを3度も繰り返し、やっと持ってきた報告書は学校が言う事実と称するもののみ。なぜこのようなことが起き、何か原因なのかには触れておらずお粗末なものでした。
何度も催促しても今一生懸命作っていますと答えるばかりでヽ息子の件に関して、どのくらいの重要性を感じているのか疑いたくなりました。
保護者への説明については、入試を控えた同級生に動揺させたくない思いから、死因は入試が終わるまで伏せてほしいが保護者には進路指導に事案について説明してほしいと願っていました。教育委員会から生徒の耳に入るリスクが高いと聞き、保護者への説明会も入試が終わった日にと私たちで話し合いました。
私たちは何度も悩み、やはり説明会は早く行ってほしい旨を教育委員長に伝えても理由をつけて私たちを不安にさせ別の方法を提案してきたり渋ったり保護者へ説明する気がうかがえなく、保護者説明会を行うことすらよろしくないようにとれる言い方をし、2ヵ月以上も振り回され、私たちの不安や不満は募り、疲労感が限界に達していました。それでも強い思いを持って必ず3月8日には実行し同級生が試験会場へ到着するまでは生徒に知らせないでほしいという願いは7日の夜に教育委員会自ら記者会見を行う意向を公表したことにより、入試があと1日を残して情報が広まると言う最悪の展開に私たちの願いが簡単に砕かれ、今まで耐えてきた事が意味をなさない状況になってし琵いました。苦しかったあの時間はなんだったのかと思います。
保護者・生徒・私たち何より息子に対して、何の配慮も心く申し訳なさもなく、自分たちの体裁ばかり考えている。それでなにが教育委員長なのでしょう。学校、教育の現場のずれた感覚を改善するすべがあるのか分からないほど、根が深いものだと痛感しました。

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