【11月17日付 朝日新聞】
名古屋市西区の市立中学1年の男子生徒(12)が自殺した問題で、この生徒が部活動で「弱いのによくそこに立ってるな」となじられたり、体形について悪口を言われたりしていたことがわかった。生徒は友人に「部活でいじめられている」「嫌な先輩がいる」とも相談していた。市教育委員会が16日、部員らへの聞き取りの結果を発表した。
市教委は、同じクラスの生徒、所属していた卓球部員ら計97人から聞き取った。11人がいじめを「直接見た」、3人が「本人から聞いた」と答えた。
部活では「カスい」とけなされたり、試合の際、「弱いのに、よくそこに立ってるな」と言われたりしていたのが目撃されていた。「下手だな」と言われ、涙ぐんでいるのを見た部員もいた。上級生にピンポン球を貸して、返ってこないこともあった。
10月中旬、男子生徒から「もうだめかもしれない」と打ち明けられた1年生部員はその際、「部活で
いじめられているんだよね」と言われた。「大丈夫か」と聞くと、生徒は「冗談。気にしなくていいよ」と話したという。男子生徒は、部活以外でも、体形をからかわれるなどしていた。
市教委は、調査結果を18日に初会合がある第三者機関「市いじめ対策検討会議」に報告。検討会議は、学校の対応に問題がなかったかなどを検証する。 (小若理恵、岡戸佑樹)
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【中日新聞】
市教委「いじめと受け止め」 名古屋・中1自殺、聞き取り調査報告
名古屋市西区の市立中学1年の男子生徒(12)がいじめを訴える遺書を残して自殺した問題で、市教委は16日、生徒が所属していた運動部で「弱い」と言われたり、学校生活で体形をからかわれたりしたことを計13人の生徒が「直接見た」「本人から聞いた」と証言した聞き取り調査結果を公表した。
同日の市教委臨時会で「いじめがあったと受け止めざるを得ない」との見解を示した。
市教委は18日、有識者による「市いじめ対策検討会議」に報告し、同会議が詳細な事実関係や、自殺との因果関係などの解明を進める。
市教委の無記名アンケートでは生徒20人が「いじめを見た」、3人が「相談を受けた」と回答。これを
受け、6~16日に同級生や同じ部活動などの生徒計97人に聞き取りした。いじめにかかわる場面について、計13人が「直接見た」または「直接聞いた」と答えた。
このうち1人は10月中旬の下校時、生徒から「部活でいじめられているんだよね。もう駄目かもしれない」と聞いた。「大丈夫」と心配すると「冗談だけどね。気にしなくていいよ」と返答があったという。
部活動に関しては、「おまえ弱いのに、よくそこに立っているな」と言われていたとの証言もあった。
学級では「体形をからかわれていた」との場面が目撃されていたほか、生徒の弁当を別の生徒が食べていたとの複数の証言があった。ただ「おかずをあげており、奪われたとの印象を受けなかった」との指摘も。担任は「(この生徒が)弁当を分け与えるようなことがあったので、食べ物のやりとりは駄目だと注意した」と話したという。
生徒は今月1日、西区の地下鉄駅構内で電車にはねられ死亡。自宅のノートに「学校や部活でいじめが多かった。部活では『弱いな』と言われていた。もう耐えきれない」と書き残していた。