平成31年4月15日付中日新聞夕刊
いじめ第三者委認めず 名東の中1自殺、父親が再調査要求
斎藤華子さんの遺影とともに、会見する父信太郎さん=名古屋市役所で
名古屋市名東区のマンションで昨年1月、市立中学1年女子生徒=当時(13)=が飛び降り自殺した問題で、いじめの有無を調査していた市教委の第3者委員会が、「心身の苦痛を感じるいじめ行為があったとは認められない」と結論付けた報告書をまとめた。15日に父親の斎藤信太郎さん(47)が記者会見し、報告書を不服としていじめ防止対策推進法に基づいて河村たかし市長に再調査を求める意向を明らかにした。
斎藤さんは会見で、生徒は名東区内の中学校に通っていた長女華子さんと明かした。華子さんは一昨年の9月に大阪府から転校し、同11月にソフトテニス部に入部。部活動の合宿が予定されていた翌年1月5日に、自宅のマンションから飛び降りて亡くなった。
報告書では部活の練習時間が長く、休みが少なかったことから疲労が蓄積していたが、真面目な性格から「合宿を休みたい」と言い出せず、行き場所を失って自殺したと結論付けている。
昨年1月に実施した生徒を対象にしたアンケートでは「力士と呼ばれていたそうだ」「無視をされていたりしたとは聞いたことがある」との記述があったが、報告書では「いじめ行為があったとまでは認められない」と結論付けられた。
斎藤さんは弁護士と会見し、第3者委には調査される側でもある市教委の職員が居合わせ中立性、公平性が保たれていない上、いじめがなかったとする根拠が乏しいなどとして報告書の内容を不服と主張。「1年以上にわたり2度も調査を実施したにもかかわらず、何一つ遺族が納得できるものが提示されなかった」と述べた。
第3者委は精神科医や弁護士など6人で構成し、昨年5月から今年3月までに計13回会議を開いていた。