【10月1日 読売新聞滋賀版】

いじめを受けていた大津市立中の男子生徒が自殺した事件から4年となるのを前に、市は県内外の自治体が取り組みを報告する「いじめ防止サミット」を3日に初めて開催する。悲劇を繰り返さないため、行政や学校、地域、家庭で何ができるかを考え、社会全体で子どもを守り、育てる機運を高める。(池内亜希)
同市では2011年10月11日、中学2年の男子生徒(当時13歳)がいじめを苦に自殺。市教委や学校は当時、「いじめと自殺の因果関係は不明」としたが、生徒へのアンケートで「自殺の練習をさせられていた」との回答があったことなどが判明し、後手に回った対応に批判が集まった。
13年1月には有識者らでつくる第三者調査委員会が「いじめが自殺の直接的要因」とする報告書を提出。
今年3月には両親が市に損害賠償を求めた訴訟で、いじめ自殺を防げなかった学校側の責任が認定され、和解が成立している。
サミットは、事件を反省として市が講じてきた▽いじめ防止条例施行▽市教委とは別に、子どもたちの相談を受け付ける「いじめ対策推進室」を市長部局に設置▽問題解決を図る第三者機関の常設▽インターネットによるいじめに対応するアドバイザーの配置――といった取り組みを知ってもらい、再発防止を図ろうと企画した。
当日は、第三者調査委で委員長を務めた横山巌弁護士が「いじめと向き合う」をテーマに講演。社会全体で意識を高めることの大切さを訴える。
その後、「子どもにやさしいまちづくり」をテーマに、越直美市長と桶谷守・市教育委員長のほか、全国に先駆けていじめ防止の条例を制定した岐阜県可児市、いじめや虐待などを防止する条例を持つ兵庫県小野市の関係者が、取り組みを紹介しながら意見交換する。
大津市本丸町の市生涯学習センターで午後1時30分から開催。入場無料で、当日誰でも参加できる。

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